第29話
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─大丈夫だ。誰も何も怖くない。
─嘘だ!よってたかってイジメたのに!
頑なな福音だが、ある意味仕方がない。作戦とは言え、複数で撃墜しようとしていたのでは本当だ、だが、
─暴走したんだ。降りかかる火の粉を未然に防ぐのは当然だ。
─そんなの、こっちだってやりたくなかった!でも、皆、皆敵なんだ!『ナターシャ』は『僕』が守らなきゃいけないんだ!
─操縦者を、か。…悪かったよ、勝手に攻撃して。自衛してたんだろう?
─…っ…。
思えば、福音は決して自ら攻めはしなかった。それは全部、操縦者を危険にさせない為の行動。こうして繋がり、意思を伝えあえるなら、理解しなければならない。福音の行動と想いを。
─許されるとは思わない、が、もう、いいんだ、福音。いいんだ。気を張るな。
─でも…っ!ナターシャが!
─一人にはさせないさ。今は羽を休めるんだ。また、操縦者と飛ぶ為に。
─…なら、約束、してくれる?ナターシャとまた、空を飛ばしてくれるって。
─あまりアテにしてくれるなよ?精一杯やってみるけどさ。
─それでいいよ。よろしくね、お節介ISさん。
──────────
会話が終わると、福音が海に堕ちていく。追ってスーツだけの状態になった操縦者をキャッチする。それを見て、一夏達も来た。
「トモ…、今のは、一体…?」
「あまり聞かない方が良い、一夏。…終わったんだな、丹下」
「ああ。…織斑先生、作戦完了、です」
夕闇の朱を見つめながら、織斑先生に事態の終結を伝える。ヴァンガードの光は既に収まり、右手の『銀色の小鳥』が、優しい朱色を照らしていた。
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