暁 〜小説投稿サイト〜
とある緋弾のソードアート・ライブ
第九話「アカシックレコード」
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
火織すらも──送りこもうとしていること。連中の狙いはあくまで「幻想殺し」だが、中にはどさくさに紛れてレベル5や精霊という戦術級の力を攫おうとしている者もいること。そしてVRMMOを使って、更に場を混乱に貶めようとしていること。

 そして「敵」の一部が統括理事会の1人に化け、レベル5に「自身と自身の大事な物を「保護」の名目で狙う連中がいる」と。

「恐らくあの十字路の出来事すら、レベル5からあそこにいた武偵たちへの戦線布告ってことにされているだろう」

 それを言われている上条の脳裏に自分の服のフードを引っ張って助けようとした少年と自分に倒れこんできた少女の顔が思い浮かぶ。あの騒ぎで細部までは覚えてないが、それでも自分と歳がまるで変わりのない少年少女が武器を持った戦闘のエキスパートの卵(どころか大人に混じって修羅場を乗り越えているものもいるが)だと知り、自分のことを棚に置いて驚いた。

「じゃあなんだ!?麦野たちは攫われるかもしれないってことかよ!?」

 それに何よりも反応したのは浜面と滝壺だ。彼らは『アイテム』という組織に所属しているが、同僚である麦野沈利も、「原子崩し(メルトダウナー)」と言われるレベル5の超能力者である。

「そういうことになる……」

 多分、麦野は襲いかかってくる敵を間違いなく返り討ちにしようとするだろう。更に今回は自分たちが彼女の「戦う理由」になっているやも知れない。彼らは数少ない麦野沈利という女性の友人でもあるのだ。

 麦野の実力は一度相対した浜面も重々承知だ。しかし、同時に彼は、武偵という存在の中に過激な者がいることや、DEM社と呼ばれる存在が国すら動かすことのできる大きな存在であることも知っていた。更に、非合法な実験や人命を犠牲にするのを厭わない、学園都市の闇と同じ面があることを。

「……これは黙って見過ごすわけにはいかないな」

 そして、連中の手引きで学園都市に誘われた彼らも、この話を聞き完全に部外者だとは言えなくなってしまった。

「──けどVRMMOを使ってって──どういうことだ?」

 その都度に精霊や魔術についての説明を受け、混乱し続ける頭の片隅に浮かんだ疑問をキリトは投げかけた。

椿「ねぇキリトくん」

 突然に話題を振られたキリトは椿の顔を見て──続く言葉に絶句した。

「キリトくんはPISって知ってる?」

 ──へ?
 聞き覚えがあり、それが何か分かっているからこそ、「それ」の真意を理解した時に最初に浮かんだのが「ありえない」という思いだった。

「……嘘だろ。もしかして、それで──!?」

 しかし、少年の目の前にいる科学者は少年の理解などの範疇に入る人物では無かった。

 椿キーナ。クリム=コードネスダイク。逢沢霙
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ