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とある緋弾のソードアート・ライブ
第九話「アカシックレコード」
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 前置きと共に人差し指と中指を立てる土御門。

「一つはヨーロッパ武偵連盟。連中の言い分は「学園都市の科学者たちの非道な実験の研究材料とされている子供たちの救出」らしい」
「胡散臭いわね」

 率直な意見を投げかける琴里。学園都市には闇がある。それは彼女も知ったことだが、だからと言って今更、大人面して「救出」などと言われても胡散臭いだけだった。

「……確かに学園都市には闇があるのは認める。だが、だからと言ってこの学園都市の問題は学園都市に住む俺たちの問題なんだ。外部の連中に手を出して欲しくないし、今まで見て見ぬフリをして置いていけしゃーしゃーと「助ける」と言われてもとてもじゃないが受け入れられない」

 「ま、椿さんの話じゃ元々違う世界のまったく接点の無い二つの組織らしいがにゃー」と付け加える土御門。上条や浜面、滝壺を似たような気分であった。

「──けど、それは貴方たち学園都市の問題でしょう?私たちには関係ないわよね」

 しかし、彼女たちは学園都市の外部の人間である。はっきり言って何故自分たちがそんなことを聞かされているのかがわからない。「聞いたらもう戻れない」などと理不尽なことを言う者たちには見えなかったが、それでも琴里は警戒を解くことは無かった。

「──おい、琴里」
「あ、いいにゃいいにゃ。本当のことだし。ま、本当にまるで関係なければ言えるんだけどにゃー」
「……どういう意味だい?」

 意味深な土御門の言葉を聞き、意識を集中する琴里と令音。

 精霊という人知を超えた存在を守る側にいる彼女たちにとっては、その力で何かをしようとして精霊を求めるような連中には、到底気を許すことはできない。

 厄介ごとに巻き込まれ、相手の都合で士道や精霊たちを傷つけることなど、自分たち『フラクシナス』がさせるわけがないからだ。

 だからフラクシナスの中でもトップの位置にいる少女と女性は気を張り、次の言葉を待っていた。

 そしてそれはキリトたちにも言えることだった。何故このような「魔術」だの「精霊」だの訳がわからない事態に自分たちが巻き込まれなくてはならないのか。それをそろそろ理不尽に感じ始めていたところだった。

 それらの視線を一点に受けながら、それでも飄々とした態度を変えずに土御門は言い放った。

「いや何。もう一つの組織がDEM社で、学園都市にいる「幻想殺し」を使って何かしようとしている。そして相手方がこの学園都市内でレベル5を巻き込んだ戦争を仕掛けようとしている──ってだけだ」
「「「「!!」」」」

 DEM社。士道たちにとっては最も聞きたくない会社の名前であるが──。それよりも「戦争」というキーワードが彼らを震わせた。

 奇しくも、第三次世界大戦が終わってまだ日も浅い
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