第九話「アカシックレコード」
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生まれたり……ありとあらゆる偶然が働いて起こった今回の融合なんだけど、最終的にしっかりした形にしちまったのはソラリスのやつなんだよね』
『──改めて聞くが、君達『保存機関』の目的はソラリスのやろうとしている変革を止めることであっているかね?』
『──あいつは変革なんて言って邪魔な連中を潰しているだけさ。現に世界を融合させて得ようとした結果が得られなかったら、その原因となった、色々な意味で邪魔な少年を潰そうとしている。更に、そのためにレベル5の少年少女がどうなろうと知ったことじゃない。自分の目的に心酔して、尚且つそれを他人にも押し付けて、しかもそれが自己欲じゃなくて世界のためなんて思ってる分、君のところの科学者たちよりタチが悪いよ。……君のところには、いそうだけどなそういうの』
『結果的に自分がみんなを救うから別に死のうが絶望しようが地獄に落ちようがいい──か。彼らしい』
『ま、少々おいたがすぎる気はするけどね……』
『確かにね。まぁこちらはこちらでなんとか対策を立てよう』
『君、今大火傷で動けねぇだろう?君の子飼いのゴールデンレトリーバーがいれば話は別だが、彼とて内部と外部同時に相手取るのはさすがに難しいだろ。ただでさえ奴さん、統括理事会の名前も使ってるのに』
『こちらもまだ打てる手が残っているというわけさ。君達の手も借りることになるだろうけどね』
『持ちつ持たれつというやつだな。ま、精々君の逆鱗に触れないように上手くやるさ』
3,
「ま、これについては知っておいて欲しい、くらいのことって考えて置いて。確かに世界の融合も止めなきゃならないけど、本題は別にあるんだよねこれが」
彼らの困惑を、一度打ち切る声。声の主はこの場の全員が質問攻めにしたいはずである椿であった。
インデックスや令音に魔術や精霊についての講義を受け、今一番混乱しているはずのキリトたちも、その声に反応して一旦「非日常なもの」への認識作業を停止した。
「じゃ。これから先はツッチーにお願いするよん。お願いねー」
「了解だぜい、椿さん」
いつの間にこんなに仲が良くなったのだろうか。そう思う上条だったが、これから話すことが自分に深く関わることだと理解し、話に集中することにした。
「さっきカミやんには言ったが、今回の奴さんの狙いはカミやん──正確にはカミやんの右手にある「幻想殺し」にゃ」
「幻想殺し」についての説明は全員が受けたのだが、説明の直後から十香たちが右手をじろじろと見る視線を感じ、上条は妙に居心地悪いのであった。
「禁書目録や私じゃないのか」
「そうなんぜよ。その理由については後々話すとして、今回の事件には主に二つの大きな組織が関わっているんだにゃ」
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