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とある緋弾のソードアート・ライブ
第九話「アカシックレコード」
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とその池袋で起きた2つの騒動。もう一つは1人の悪戯好きの神によって起こされ、結果的に死者の国を統べる1人の女神と1人の海の女神を救った一度限りの物語。

 そこで上条たちは出会っている。首から上が無いライダーに。バーテン服を着た池袋最強の喧嘩人形に。眼鏡をかけた妖刀を身に宿した少女に。裏から全てを操ろうとする「人間愛」の塊の情報屋に。「捻れ」など気にせずマイペースに奇跡を謳歌する2人の男女に。

 核兵器にも耐える究極の兵器を破壊して回っている者たちに。神の敵を葬り去る戦乙女と少年に。妖怪に好かれる性質を持つ少年やその少年の周りにいる妖怪たちに。世の不条理(Adsurd)に振り回されながら残忍な事件に挑んだ者たちに。生粋の殺人鬼との殺し合いに生き延びた者に。神格の上の未踏のさらに奥、その頂点に立つ少女とその少女が異常な愛を捧げる少年の影に。

 そしてキリトにも、一つだけ心当たりが浮かんだ。新型フルダイブ実験機のテストダイブ。そこで闘ったあの銀色の翼を持った戦士は、もしかしたら異世界の住人だったのではないか──と。

「……ありえない。と言いたいところだけど──残念ながら一つだけ心当たりがなくも無いのよね」

 そして琴里にも、そのような経験は無くとも一つだけ心当たりとなるものがあった。先日の謎の霊力反応。説明が付くことのなかったそれも、もしかしたら彼が言うそれが原因かも知れない。

 そして彼が最後に放った言葉は、上条たちが経験し──かつて一大の騒動となったことに同等するものだった。

「現在……世界同士の均衡はお互いが混じり合わないようにギリギリのバランスで保っている。例えば──2つの世界の定義やあり方はかなり違うのだが──異世界の吸血鬼たちが「吸血殺し」という存在に近づかないようになっているだとか、イギリス王室に血が繋がってないはずの王子や姫の関係だとか。それこそ国の大統領や総理大臣や王、組織のトップとかな。色々辻褄が合わないことを無理矢理抑えつけてるような状態なのさ」

 そして一拍置いて、続きを話した。


「だから──この現象を押しとどめて、なんとか形としている存在が瓦解すれば、一気にこの世界の融合は進んでしまうということさ。例えば──「幻想殺し」とかな」







2,







数分前 学園都市 「窓のないビル」

『──ようするにどういうことだい?』
『まぁこれは前座にすぎないってことさ。君んとこの魔神ちゃんが何万回も世界【フィルター】をかけて作り替えたり、あるいは君が【世界の薄皮】をベリベリと破いちゃったり、五河士道が『鳶一折紙』という在り方を根元に近い部分から変えてしまったり、緋緋神に瑠瑠神に璃璃神が本格的に動き始めたり、あるいは『アリス』なんて存在が
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