暁 〜小説投稿サイト〜
とある緋弾のソードアート・ライブ
第八話「色彩の崩壊を告げる悪魔の王」
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から抜け立ち上がろうとしたインデックスの顔面に背中があったからだ。上条の。

「ぐぇ」

 上条の背中が思い切り倒れ込み、その後ろにいたインデックスもその背中に押し倒される形で地べたに倒れる。今度は浜面も受け止めれなかった。地面のアスファルトと上条の背中とのクッションとなるインデックス。

「あいてててて……ってインデックス!?」

 インデックスをクッションとしたおかげで衝撃が少なくすぐに起き上がった上条だったが、まさか自分(の背中)がインデックスを押し倒していたとは思ってなかったらしく、慌ててインデックスの上から退く。

 鼻を中心に顔を真っ赤にしたインデックスだったが、幸い気は失って無く、そのままムクリと起き上がった。

「とうま」

 底冷えするような声で名前を呼ばれ、思わず背筋を伸ばし「起立」の姿勢となる上条。

「痛いんだけど」
「え、あ、いや。俺もなんか乱入してきた狼に突き飛ばされてね」
「痛いんだけど」
「いや痛みなら俺も十分味わっているわけですよ、は」
「痛いんだけど」
「有無も言わせない気っ!?」

 この現状で夫婦漫才をするな、と思ったのは決してオティヌスだけではあるまい。





 なんとかインデックスを宥めながら上条は横目で巨狼と、自分を突き飛ばした狼を見た。

 体格差は圧倒的な二匹の獣がお互いを威嚇し合っている。膠着状態になっているということだ。

 先ほど、横から乱入してきた狼に上条はまったく反応できなかった。

 あらゆる異能を打ち消す「幻想殺し」や、色々な異形な存在と会ってきた異形の者から「不死者や吸血鬼を超えている打たれ強さ」と言われる頑丈さ、数百億を有に超える数の世界による攻撃を耐え抜く精神力を抜けば、上条当麻は普通の──それでも普通ではないかもしれないが今はそこは言及しないでいただきたい──高校生である。どこぞの武偵のように銃器も使えないし、高い反射神経も持ち合わせていない。

 だからあの狼は、その牙で上条の身体を噛みちぎることも燃え盛る半身で上条に火を浴びせることもできたはずである。上条はまったく狼が近づいてくることに気づかなかったのだから。

 結局、狼がしたことは上条の身体を氷の半身で突き飛ばすことだけだった。そのせいで服の一部が凍っているが、上条自身には何の怪我もない。

 まるで、獲物を横取りするような乱入の仕方だったと、上条は思う。

 そんなことを上条が考えていた内に、膠着状態は解けていた。先に氷と炎を身に纏った狼が巨狼に襲いかかったのだ。

 が、激突は無かった。

 飛び出した狼は2つに別れた巨狼の間を、何も無く通り過ぎただけだったのだから。

「……は?」

 文字通り真っ二つになった巨狼の真
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