第八話「色彩の崩壊を告げる悪魔の王」
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が不安定となれば霊装や天使を一時的に使用できるようになる。現に十香は限定霊装を纏い、その手には鏖殺公が握られていた。
それだけならば、十香の精神状態が不安定となり、天使と限定霊装が天現してしまったと説明がつく。
だがそれだけではない。
異変が起こったのは十香だけでは無かった。四糸乃、耶倶矢、夕弦、美九、七罪。琴里を除く精霊たちが十香と同じ瞬間、限定霊装を纏い、十香と同じ瞬間、天使を天現されたのだ。
「なにぃ……!?」
「困惑。一体どうして……」
「あれー?あれれー?」
本人たちの反応を見ても、これが意図して起きたものではないことが分かる。明らかに、自分の意思や精神状態とは関係なしに天使が現れたとしか思えない。
琴里はすぐ様インカムを小突く。クルーからの回答はすぐに来た。
『感情値は安定しています!精神状態は乱れてません!』
「ならどういうことよ……」
残る可能性は精霊たちが自分で天使を使用可能としたとしか考えられないが、彼女たちの動揺がそれを否定していた。
では一体何故?
騒然とする琴里たちの思考は、こちらに向かって走り始めた狼によって強制的に打ち切られてしまう。
上条は駆ける。
根元から折れた街路樹を乗り越え向かう目標は倒れ込んだままの巨狼。そいつの巨大な体のどこかに、この右手を押し付ければ、全てが終わる。そう思い突っ込んで行っていた。
同時に、突如士道たちで出来ていた人垣を飛び越えた狼が上条向かって来る。半身の炎を靡かせ、もう半身の足がついた場所を凍らせながら、上条目掛けて。
それを見たインデックスが「強制詠唱」を唱えようとする。アレも目の前の狼と同じ使い魔の類と判断しての行動だった。
それを邪魔するかのように、インデックスの頭上で突如、閃光が弾けた。
「キャッ!?」
閃光は別に失明するほどの光量ではなく対したものでは無かったが、不意打ちで目の前にフラッシュのような閃光が弾けたことで、インデックスはよろめいて、倒れ込む。
「おい!大丈夫か!?」
倒れかけたインデックスを間一髪で受け止めたのは浜面だ。頭上にはいつの間にか避難したオティヌスがちょこんと乗っており、いつも乗っている者となんとなく髪型が似ているからか妙なフィット感を見せていた。
「う、うん大丈夫なんだよ」
別に驚いてよろめいただけであり目がおかしくなっているなどといったことは無かった。となると、やはり先ほどの閃光はインデックスの「強制詠唱」を邪魔するためのものに違いない。
インデックスがそう考え、上条の安否を確認しようとした時だった。「へ?」という間抜けな声が自分の声から出てくる。
理由は単純。浜面の手
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