第七話「さぁ、定説と理を覆せ。主役たち」
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あなた達ね……」
「確かにこいつのとんかつは美味しいがな……だからって」
「あのさ……十香、嬉しいんだけど」
「喧嘩はやめよう……な」
どちらの料理が美味しいかを喧嘩している2人を、嬉しさの混じった微妙な気持ちで宥める上条と士道。そんなこんなしてる内に十字路に差し掛かる。
この時──キンジたち武偵高の一同が右方から、キリトたちALOのメンバーが左方から歩いてきていた。
前提条件として、士道たちとキリトたちは同じバスで学園都市に訪れているため知り合いである。そのため、ちょうど十字路の中央に差し掛かった時、お互いの存在を認知した。
「あれ?あれって……」
「あ!あれ五河くんたちじゃない?」
それに釣られてキリトたちの方を見たのが士道たちと行動を共にしていた上条たちだ。いきなり何かに反応した士道たちも見て、言い合いの最中だったインデックスと十香も「え?誰?」と「おお!シドー!キリトたちがいるぞ!」と両者それぞれの反応を示した。
ここで上条の不幸が発動する。
十香のすぐ近くにいた上条は、キリトたちの元へ走り出そうとした十香に、偶然に突き飛ばされる形になってしまう。今は力を抑え込められているとは精霊の力だし、何より突然の事だったので、上条はバランスを崩して後ろに仰け反る。哀れ上条の頭上にいたために巻き込まれるオティヌス。
「おっとっと!?」
「ど、どうした!?」
もしこの場に上条だけがいたならば上条が後ろに倒れて終わりだったかもしれない。しかしその場に、鈍臭さでは有名な中空知が通りがかったのが、更に上条の不幸を加速させた。
「え…ええええー!?」
「ぬおっ!?」
「ギャッ!」
なんか踏ん張った上条だったが、突然倒れ込んできた人物に中空知が対応できるわけもなく。しかも何故か上条に、変に避けようとしてバランスを崩した中空知が倒れ込んでくるという結果を生み出した。ちなみに頭上から投げ飛ばされるオティヌスを無事にキャッチしたのは令音だった。
「っておい上条!?」
「中空知!?大丈夫か!?」
そしてそこはみなさんご存知、上条当麻。ただ倒れるだけではその手には中空知の基準より若干大きめの胸が、しっかり収まっていた。
「ん……なんだこれ……マシュ」
「きききききき、きゃーっ!!」
「ぶべらっ!?」
そしてビンタされる。理不尽だがいつも通りである。ついでに中空知がどいた上条の頭上に仁王立ちしているインデックスもいつも通りである。
「い、インデックスさん?……これは不可抗力……」
「とーうーまー?」
そして立ち上がった中空知が思っきり抱きついてきて、胸の感触が押し付けられたのも、ある意味キンジらしいことだった。
「なっ、中空知!?」
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