第七話「さぁ、定説と理を覆せ。主役たち」
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めた美九の目の前で思っ切り後ずさるインデックスとオティヌス。暴走はなんとか士道が「どうどう」と宥めることで落ち着いたが、それでも、インデックスとオティヌスの美九との距離は先ほどより若干開いたままだった。
その逆側、士道とは上条を挟んで隣にいた十香が残念そうに呟いた。
「……しかし、せっかくのパレードが無くなってしまうとは…楽しみだったのに」
「はまづらとロマンチックに過ごすつもりだったのに……残念」
十香の隣で、令音とともに浜面を運んでいる滝壺も同調した。どうやら2人の会話の内容は中止となってしまったパレードに関することらしい。美九を落ち着かせながらも、士道の耳にもこの会話は届いた。
開催が予定されていた夜のパレードだが、レストランでの事件が影響してか、急遽中止ということになってしまったのだ。まぁあれだけ騒ぎになっていたし、これを整理してパレードをやるのは時間が足りなかったらしい。上条と浜面がちょうどフルボッコにあってる最中、早い段階でパレード中止の放送が流れていたのだ。
パレードを楽しみに待ち望んでいた十香や四糸乃、八舞姉妹たちもそうだが、浜面とパレード後の花火を見ながらロマンチックに過ごすことを計画していた滝壺も、目に見える落胆を見せていた。パレード後の花火も同様に中止となっている。
ちなみに放送が流れる前の段階で浜面は瀕死寸前だったので、どちらにせよロマンチックな空気なんて作れないのじゃないか。と士道を思うが、口には出さないに越したことはない。
「明日も来るんだし、またその時見ましょう。諦めなさい」
「滝壺、また明日もいくか……?」
十香を慰めた琴里の声に反応したのか、令音と七罪に肩を借りていた浜面が意識を取り戻す。自分たちの方を見ると上条もいつの間にか意識を取り戻していたらしい。足取りはまだおぼつかないが「もう大丈夫」と言って、自分の足で歩き出した。
「……うん。また明日行こう。はまづら」
あまり感情の起伏に富んでいない笑顔だったが、それでも笑顔に違いはない。浜面にとっては「滝壺の笑顔」というだけで、明日も頑張る原料となるのだ。
上目遣いで肯定を示してきた滝壺に、浜面も笑顔で「おう」と返してきた。
「いいカップルだな」はこの場の誰もが思ったに違い無い。
「──じゃあ、私はここで」
「うん、またね」
駅に向かう一行と、歩いていける距離に家があるというイブはここで別れることになる。インデックスは名残惜さそうだが、別に遊びに行けない距離では無いのだ。また一緒に遊びに行けばいい。
「今度は私の家に来てよ。おっきいお風呂もあるし、インデックスが目を輝かせそうな、美味しい料理をいっぱい作ってくれる人もいるよ」
「美味しい料理!?行く行く!」
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