第七話「さぁ、定説と理を覆せ。主役たち」
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」
同い年ですぐに打ち解けたとはいえ、まだ知り合って間もない少年がいきなり険しい顔になったのを見ては驚く。何があったのか気になるのは当たり前であろう。何か相手側に不可解な気持ちをさせるようなことをしてしまったか?などとついつい嫌な想像をしてしまう。
だが浜面から投げられた質問は、士道の予想を大きく外れるものだった。
「──どうやったらあんなハーレムエンドみたいな状態が作れるわけ?」
「……はぁ?」
真面目な顔とくだらない質問のギャップに、素っ頓狂な声を上げる士道。ハーレム?なんでそんなことを聞いてくるのか?
しかし、この場でそれをくだらない質問と思ったのは士道だけだったらしい。
「そうそれ!しかもあーんな可愛い子たちと一緒にって……上条さん羨ましいすぎて嫉妬するレベルですよ…」
「俺的にはあの中だったらあの双子の胸が大きい子かなー。大人しそうだし、中々好みをついているしなー」
「上条さん的にはあのオネーサン2人!上条さんの好み、寮の管理人のお姉さんにはまりそうだし、巨乳だしなー!クマなんてそんなのステータスの一つですらあるし!」
「…………」
シスター少女と妖精のようなちびっ子少女、橙茶色の麦わら帽子少女を引き連れている少年と可愛い彼女持ちのリア充に言われたくないな……、と士道は自分のことを棚に上げてそう思った。
確かに十香達のレベルが高いのは十分に理解できる。しかし彼らの周りにいる彼女たちのレベルも精霊の彼女たちに負けず劣らずだ。シスター少女は小動物を思わせるような子だし、逆に妖精のような少女は小さいにも限らず、なにか威厳のようなものを感じる。麦わら帽子少女のアメシストのような瞳はまるで宝石のようだ。浜面の彼女もジャージ姿でも見栄えするような、間違いない美少女である。
「上条さんもモテたいですなぁ……ああ、出会いが欲しい」
どの口が言う、どの口が。と、これには士道も呆れ果てた。
しかし呆れたのはほんの一瞬。何故なら、背中からものすごい剣幕の何かが近づいてくるのを士道は感じたからだ。正確には近づいてくる者の標的は士道では無く、上条と浜面のようだが。
「だからさー。そのスキルを是非伝授させていただきたいですよ!わかるでしょ!」
士道にすらわかるのに、この2人の少年は近づく鬼に気づきもしないらしい。気づいていないとはいえ、この場面でこんな火に爆薬を突っ込むような真似をするのか。なんなのか。馬鹿なのか?
「頼むよ!師匠って呼ぶからさ!な!な!」
更に強くなった殺気に背中を嫌な汗が伝う。それでも気づく素振りがない馬鹿2人を「おい!」と窘めようとした士道だったが、今度は右から爆薬が投げ込められる。浜面にとっては、背中から同時に刺されそうな危なっかしい上条産ハーレムより
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