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とある緋弾のソードアート・ライブ
第七話「さぁ、定説と理を覆せ。主役たち」
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た少年の凄惨たる姿を見て、思わず呟いていた。

「全然大丈夫じゃないでせう」
「凄い噛まれ方だったな……歯型できてないのは幸いだな」

 おじいちゃんのように力なく震える(痙攣している)上条に苦笑しているのは浜面だ。女性からの理不尽的な攻撃が偶に下るのは身を持って分かるし、なによりこの彼は浜面視点からでも男女含めて恨みを買うようなことが多すぎる。前のハーレム状態を思い出しながら「ざまぁみろ」とは思わなくも、少しいい気味と思ったのは浜面の心の内だけに留めておけばいい真実だ。
 ──ちなみに浜面の方も人から見れば、上条とは50歩100歩なのだが…本人はそれに気づいてはいない。

「──俺からも礼を言わせてもらうよ。ありがとう」
「いいでせういいでせう。俺が好きでやったことだから」

 手を上下に振りながら、本当に何でもなさそうに振る舞う上条を見て、士道は何となく察することができた。
 この少年も、恐らく士道と同じで「この子の笑顔が見たい」という理由で飛び出しているのだろう。士道が持つ欲と同じ欲を持って行動して、それが得られるから頑張ることができる。だから「自分の好きでやっている」などと言えるのだ。
 この少年は士道以上に様々な物を積み重ねてきたに違いない。失ったり、崩れたりしても、それでも前に突き進んできた──そんな感じが士道はした。本当に、何となくだが。

「俺は五河士道。お前は?」
「ん?俺?上条当麻っていうけど」
「じゃあ──よろしく、上条」

 地べたに大の字に転がっている上条に伸ばされた士道の左手。それを一瞬惚けた顔で見た上条は、笑いながらその手を左手を握り返した。手を引っ張られ、立ち上がる。

「こっちもよろしくな」
「ああ。あんたは?」
「俺は浜面仕上ってんだ。よろしくな…五河だっけ」
「ああ──ってあの時の!」

 浜面も自己紹介し、その顔を見て士道は思い出す。この少年、ゲコ太との記念撮影を代わりに撮ってくれたあの時の人物で間違いない。
 浜面の方もそれに気づいたらしいく、唯一現場を知らない上条が、気安く接する2人を見て首を傾げるのだった。

「さっきは本当にありがとうな。助かったよ」
「いやーなんのなんの。あれくらいお安い御用よ」

 こうして同年代の少年3人はお互いに顔を見合わせた。
 ──かたや第三次世界大戦を終結させ、かたや超能力者の第四位を無能力でくだし、かたや人知を超えた存在である精霊を救っているという、「普通」とは言いづらい少年たちだが、ここではそんなことは関係ない。ここでは、それぞれの日常を生きる「普通」の少年として、お互い接していた。
 だからか。馴染みのが早く済んだ士道に対して、浜面は真面目な顔でこんな事を聞いていた。

「なぁ、五河?」
「な、なんだ?
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