暁 〜小説投稿サイト〜
とある緋弾のソードアート・ライブ
第七話「さぁ、定説と理を覆せ。主役たち」
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いたらしく、気づいたら十香が琴里の顔を覗き込んできた。
 記憶があやふやということは特にラタトスクやフラクシナスに纏わる機密事項ということでないことは間違いない。十香たちに伝えてはならないようなこと──例えば、考えたくもないが「士道の最悪の状態」──については忘れるわけがない。琴里は元々記憶力はある方だし、それでも曖昧だということは覚えておかなくても特に問題が起こらないということだろう。
 しかし、万が一、そのことが自分が忘れている重大なことだとしたら──と考えると、琴里はこのことを十香に言えなかった。
 だからこの時出された助け舟は都合が良かったし──なにより、少し驚く内容だった。

「琴里さんもあの人の顔を見つめてますけどー、同じことを思ったんですかー?」
「同じこと?」
「あの人、なんかだーりんに似てませんー?」

 「え?」というのは十香と琴里の声。十香は近くでこのメンバーを代表して令音と共に事情聴取を受けている士道の顔を凝視すると、今度はようやくインデックスから解放され地べたに座り込んだ上条の顔を凝視し、それを交互に行う。

「……似てないぞ?」
「顔じゃないですよー」

 「魅力ならだーりんの方が何倍もありますからねー」という美九の話を聞いていたのは十香と琴里だけではなく、四糸乃、よしのん、耶倶矢、夕弦、七罪たちも会話に参加してくる。

「むぅ……彼の者のどこが士道に似ておりのだ?」
「同上。夕弦もどこが似ているのか分かりません」
「うーん……士道君と似てる、ね…」
「それ、分かる気がします…」

 十香や琴里のように疑問を投げかけた耶倶矢や夕弦、七罪に対して、美九と同じ反応を示したのは四糸乃だった。

『むぅー?四糸乃、美九ちゃんー。どの辺が士道君と似てるの?』
「なんだろう……感じっていうかのかやな……雰囲気っていうかな……」
「私も四糸乃さんと同じ感想ですぅ。なんか似てるんですよね、だーりんと」

 言われてみれば、とうなづく。確かに見た目のタイプは真逆なのに、何故か似ている。指摘されるとそれが分かってきた。明確には分からないが、それでも、何か似ている気がする。

「確かに、士道みたいに安心できる……そんな感じがしなくもないぞ」
「確かに……無茶して飛び出す姿も似てたわね」

 それは、あるいは迫害され、あるいは絶望し、あるいは助けを求めていた彼女たちだから感じたことだったのかもしれない。士道が、親に捨てられ絶望を味わいそれ以来、絶望に敏感になったのと同じように。彼女たちも、味わったものに敏感になっていたのかもしれない。

 ──彼すら忘れてしまった。「救えなかった」という絶望を。



「──大丈夫か?」

 事情聴取から解放された士道と令音だったが、目に入っ
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