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歌集「春雪花」
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 晩春の

  緑の深き

   魚野地の

 眺む蒲公英

    君に似たりき



 晩春に掛かった山並みは新緑に染まる。見ればタンポポが鮮やかに咲いている…。
 君の笑顔の様に目映い花…いずれ綿毛となって飛んでゆく…。

 君が此処から去った様に…。



 葉桜を

  見上げし今日も

   流れゆき

 君ぞなきにし

     初夏の暁



 すっかり葉になった桜を見上げるだけの今日も…過去へと追い遣られる…。
 もう初夏。君がいない時間も季節は流れ…一人暁を眺めては君を想う…。




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