3部分:第三章
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っていた。お節介焼きで迷惑ばかりかける精霊としてだ。彼等の中にも彼に迷惑を受けた者が結構いたのである。
「俺魚釣ってたらとんでもなく大きな魚が出て来て襲われたぞ」
「食べがいがあるだろうと思って」
「あんな大きな魚があるかっ」
壮年の男は釣りで彼のお節介を受けたのだ。
「あんな馬鹿でかい魚。危うく食べられそうだったぞ」
「私だってそうよ」
今度は中年の女が言う。むくれた顔になって。
「とうもろこしにお水をやっていたら台風になって」
「水、いるかと思って」
「台風はやり過ぎよ」
こう言ってブラッシュマンを見据える。
「危うくとうもろこしが駄目になるところだったじゃないの」
「御免、勘違いだった」
女に対して頭を下げる。彼のお節介と迷惑は昔からなのだった。
「それで今回もかい?」
「あの嵐はあんたが」
「そう」
申し訳なさそうにぺこりと頭を下げて答えた。
「僕がやった。これ間違いない」
「またどうしてあんなことを」
「訳がわからないよ」
「私の為だったらしいわ」
「御前の為!?」
「ええ」
娘がここで言って村人達に答える。
「私が針箱を落として怒られているところを虐められてるって勘違いして」
「それでか」
「そう、それでなのよ」
こう村の人達に語る。
「それで嵐を起こして私を助けたらしいのよ。嵐で皆が戸惑ってる間に私を助けてこの洞窟にね」
「成程、そうだったのか」
「それでか」
村人達はここまで話を聞いてまずは嵐のことはわかったのであった。
「それであの嵐が起こったのか」
「全く」
「僕の勘違いだった」
またこう言って謝るのだった。
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