閑話―公孫賛視点―
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「白蓮、私塾の方は充実していたかしら?」
「うん、とても勉強になったよ母さん」
私塾で三年過ごした私は一月里帰りして実家でゆっくりしていた。
「それはよかったわ、ところで未来のお婿さんは出来たのかしら?」
「ブッ!?そ、そんなのいないから!!」
「あら?満更候補が無いわけでもなさそうね……」
「あいつはただの友達だから!!」
「その思い浮かべた人は誰かしら?」
「……」
「……」
気まずい沈黙が流れ――
「プッ、アハハハハハ! 冗談よ白蓮、良い友達が出来たようで良かったわ」
母さんの笑い声によりかき消された
「まったく……からかわれるのはあいつ等との時だけで十分だよ」
「へぇ、何事もそつなくこなす白蓮を私以外でからかう事が出来るなんて、すごい子達ね」
「ああ……、良くも悪くもすごい奴らだよ」
そう言って別々の道を歩み始めているであろう友を想う―――
袁本初、真名を麗覇、私塾で初めて出来た友であり良いことでも悪いことでも自分を引っ張り、又は引き回してくれた存在だ。
髪は美しく長い金髪で三つ編みに縛り後ろに流している。一度曹操の巻き毛を羨ましそうにみながら『我も巻きたい』とか言い出したので、曹操と二人で必死に止めたのは良い(?)思い出だ。
顔は母親似らしく女顔で、一度曹操に女装させられ私塾に突然現れた美女として騒がれた。
本人も悪乗りし『オーッホッホッホッホッ』と高笑いしていたが、何故か様になっていた。
その後の私塾内を静かにさせるために奔走したのも今では良い(思い込み)思い出だ
服装は流麗で高価な物を好み、金の刺繍が入った派手な服が多かった。そういえば一度ふんどし一枚で私塾にやって来た事があり、理由を聞くと『父親の借金の取立てで難儀していた娘を見かけてな、持ち合わせが無かった故に我が服を授けたのだ!何心配することは無い、あの服であらばお釣りもでるであろうからな、フハハハハハ!』
そういう問題じゃないだろ!と食って掛かった私を他所に塾生達は彼の話に感動している様子で、曹操に至っては成り行きを面白そうに眺めていた。
その後、さすがにふんどし一枚の友を放っておくことが出来ず、慌てて男物の服を買いに行き戻ってくると私塾内に着替えがあったようですでに服を着ていた。
『む?白蓮には男装趣味があるのか? 可愛らしいのだから女物のほうが良いぞ!、フハハハハハ!!』
あの時は恥ずかしいやら悔しいやらで手に持った服が破れそうになったけど、それも今では良い(記憶改善)思い出だ。
あれ? 何か容姿だけでも苦労話しが―――いや、気のせいだ
次に彼の性格、これは彼の特徴でもあるが自己中心、唯我独尊を行くようで実は他者を重んじる傾向がある。
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