閑話―公孫賛視点―
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すね、かわいらしいです〜……私もいつか」
「あ、ああ、こほん」
「わわっ、すみません、それでどうするのですか?」
「何、別に特別なことはしない、ただ此処を通る麗覇に赤子が眠っているのを教えてやるだけだ」
「な、なるほど!なんだかんだお優しい麗覇様はそれを聞いて―――」
「「騒ぎを止め(ますね)る」」
グッと二人で握手し合い彼を待つ―――そして
『――こしわっしょい!お御輿わっしょい!』
「――来た、行くぞ斗詩」
「はい」
やって来た御輿に近づいていった。
「おーい、麗覇ーー!」
「麗覇様ーー!!」
「おお、斗詩に白蓮、商売は終わったのか?」
「そ、それはもういいよ」
「うう、忘れてください」
先ほどの騒動を思い出し少し落ち込んだ二人であったがすぐに立ち直った。
「実はこの先で赤ちゃんが寝ているんです!」
「そうだ、すごく気持ちよさそうに眠っていたぞ!」
「なにっ!?それはいかぬな……、皆!口を閉じよ!!」
『 応 !!』
「閉じよと言うに」
「いてっ!?」
御輿の前で思わず返事をした猪々子を袁紹が扇子で小突き、彼女は「ひでぇよ麗覇様〜」と少し恨めしそうに見つめ返した。
「―――む?赤子は起きているではないか」
「え?あっ!?」
よくみると先ほどまで寝ていた赤子はすでに目を覚まし、楽しそうに笑っていた。
これには斗詩と公孫賛が策の失敗を確信したが―――
「赤子を驚かせるわけにはいかぬ、今日はこれでお開きだな」
その袁紹の言葉に安堵した。
「ご苦労であったな益荒男達よ!今日は我の奢りゆえ、料亭で好きな物を食べよ!!」
『ごちになりやーーーっっス』
そして男達と猪々子をつれて帰っていった。
………
……
…
「ほんと、挙げればきりが無いほど色々あったなぁ」
懐かしみながら公孫賛はどこか寂しそうだった―――
………
……
…
―――数ヵ月後、南皮へ向かう道―――
「まったく、何でお母様は勝手に仕官の話を進めてしまうのよ!?」
高級そうな護衛つきの馬車の中で、猫耳フードを被っている少女が憤慨していた。
「しかも袁紹って男じゃない!これで妊娠したら自決して化けて出てやるんだから!!」
のちに王佐の才と呼ばれるこの天才少女の、悲鳴のような言葉を出し続けながら馬車は南皮へと向かっていった。
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