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グーラ
5部分:第五章
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正解だったかもな」
「そうなんですか」
「僕の予想通りならな」
 彼はその空き家の筈の家を見ていた。
「いいか」
「はい」
「周りを囲むんだ」
 他の者達に対して命じる。
「若しもの時は」
「どうするんですか?」
「簡単なことだ。コーランの一文を詠唱するんだ」
「コーランのですか」
「そう、それだけでいいから。いいな」
「はあ」
「それじゃあ」
 家の中からは何も感じない。物音一つしない。スレイマーン達はそこへ近付いていく。その時不意に家の中から物音がしだした。
「!?」
「何が一体」
「騒ぐことはない」
 騒然としかけたところで制止した。
「中にいるのはやはり」
「やはりって」
「ジンナ!」
 スレイマーンは家の中にいるであろうジンナに対して叫んだ。
「一太刀だ!それで首を斬れ!」
「はい!」
 中からジンナの返事が返って来た。そして風と何か重いものを斬る音がした。
 すると窓から何かが飛び出てきた。それは地面に落ちるところころと転がりやがて止まったのであった。
 首であった。美しい顔立ちに黒く長い髪を持つ女の首であった。あの女のものに他ならなかった。
「あの女の」
「ジンナさん、まさか」
「待て」
 殺人かと顔を青くする他の者に対してスレイマーンが言った。
「よく見るのだ、この女の首を」
「この女の首を」
「そうだ。よく見てみろ」
「よくって・・・・・・ええっ!?」
「なっ、これは!?」
「これでわかったな」 
 マムーの家の者達はその首を見て皆青くなりかけた顔を蒼白にさせてしまった。

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