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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第三十話 真剣の意味
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たのが印象的でもある。
「で、揃いも揃ってどうした?」
「ああ、もうすぐ貴様も欧州に向かうからな。仮にも摂家、身一つで要人を海外には置いておけんからな、身辺警護のための独立小隊だ」
「なるほど。」
真壁助六郎の言葉に得心を覚える。摂家と言えば諸外国では準王族として扱われる、日本帝国皇族が人類最古の王族であり、それに付随する摂家もまた文化的・外交的価値は計り知れず、それを確かに一人で放置するわけがない。
また―――日本帝国は欧州と協調路線を取っているが烏合の集である欧州は一枚岩ではなく、当然現在の政策が目障りな人間もいる。
また、現在アフリカで勢力を強めつつあるテロ勢力も日本を敵視している。さらに付け加えるのなら大戦後欧州各国に根付いた移民も含めるとその政治様相は混沌と形容するに限る。
最近の国際情勢に言える事だが、BETAという共通の敵に対し表面上は上手くまとまっているように見えても実態は水面下で槍を突き刺し合っている状態。
ある意味私立病院の医師が水面下では医局どうしで牽制しあっているのに似ている。
もう一つ例えるのなら、第二次世界大戦中に日独同盟を組んでいたが、お互いがお互いの敵国に対し全く共闘していなかったのにも似ている。
そんな爆発寸前の政治的紛争地帯、どんな爆発連鎖が起きるかは分からないが良くなることはない。
欧州側もそれ相応に対策は行うだろうが、繰り返すが政治的紛争地帯だ。誰が敵で味方かすらも分からない。
―――むしろ、護衛が三人。しかも一人は新兵も同然。
かなりの不安材料ではある。
尤も、その危険を前提に行うのが外交という物でもある。
「―――斑鳩忠亮大尉だ、見ての通り武力としてはてんで役には立たん。諸君等の命に頼らせてもらう、良しなに頼む。」
自身の警護を受けた三人に向け宣言する。
まだ傷の癒えぬこの身は日常生活とて十全にはこなせない。守られるだけの非力な存在だ。
それでもなお、彼らの命を預かる立場でもあるのだ、相応の風格というものを持たねばならない。
「帝国斯衛軍 甲斐朔良中尉。その旨を承る。」
「同じく帝国斯衛、今井智絵少尉。身命賭して仕ります。」
「はっ!真壁清十郎中尉であります。斯衛の使命、見事全うして見せますっ!」
敬礼と共に三人がそれに応えた。
それを聞き届けた真壁助六郎は一歩前へと踏み出て宣告する。
「これを以て貴官ら三名の第21独立警護小隊着任を認む。存分に奉仕せよ。」
「「「了解ッ!!!」」」
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