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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第三十話 真剣の意味
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として扱った。そういうことなのだ。
つまり、竹刀を完全に真剣と思い込んで扱っていた。……はたしてそれだけの執念と呼ぶべき真剣さを持つ剣術家は果たして何人いるだろうか。
「それにあの足位置、実戦ならばあれに大外刈りも加わっておる。………これが剣術の試合だというのに、短槍術、空手、柔道その技を剣術に最適化させる工夫を加えつつ連携させよった。」
「しかし、これは剣術の試合ですよ。」
「だからこそよ。何でもあり、それが実戦というものよ。生きるか死ぬかの瀬戸際に作法なんぞ要らぬわ、そして実戦を想定したものが稽古という物であろう。
―――清十郎、貴様もあれを見習え。何故やつが竹刀で真剣の戦法を取ったか、つまりは本当の意味で真剣である。ということよ。」
「……!!」
真剣になる。その本当の意味をあの時知らされた。
稽古だからルールがある、そんな定型通りの教本通りに演じるお遊び剣術に浸っていたのだと思い知らされた。
稽古とは実戦を想定して行うものだ。竹刀とは持っているのが真剣であるという前提でふるうのだという事を失念していた。
―――真剣さが足りなかった、まさに竹刀を振っていただけだったのだ。
「にしても、惜しいな。天武の才を持ち、それを生かす愚直さも持つ。まさに逸材―――微温湯につけて
錆
(
さび
)
させるのは勿体ない。」
その後、その少年……柾忠亮は二年に亘り様々な流派を訪れその技をまるで砂が水を吸うように吸収し融合・醸成させ凄まじい勢いで成長していった。
そして中学卒業と同時に斯衛の門を叩くのだった。
「まさか斑鳩家への養子入りした人間が君とは思わなかったよ柾。」
「ふっ、今は斑鳩だ。……尤もそう遠くないうちにまた名が変わりそうだが。」
見知った顔と言わんばかりに言葉を交わす忠亮と甲斐中尉。
「甲斐中尉、ひょっとして知り合いなのですか?」
「ああ、そうだよ智絵。柾忠亮……訓練校時代の同期さ。彼はその中でもずば抜けていたよ。」
「首席のお前に褒められても嫌味にしか聞こえんとあれ程言っただろ。」
「という気難しい連中は閉じた環境だと存外に多いとね、こっそり忠告してくれる良いやつだよ。」
「―――相変わらず嫌味の通じん奴だ。」
白を纏う女性士官、今井少尉の問いに答える甲斐中尉の言葉に思わずため息を吐く忠亮。
この男は優しげな物言いと的確な言葉でそこそこの人気はあったのだが、それ故に誰とも深く付き合おうとはしなかった。
その中で帝国軍から斯衛に移籍するのではなく、最初から斯衛軍の訓練校であるがゆえに周囲と浮いていた忠亮とは成績が近かったこともあり話すことが多かった。
なんというか、一見素直だがそれ故に内面は360度捻じれて素直に見えるという珍妙な性格だっ
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