第74話 後ろには気をつけよう
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為に作り出されたのがこの紅桜なのであったのだ。
「今、外で戦っている岡田の使っている紅桜はまだ試作段階でしかないが、此処にある紅桜が完成すれば拙者の理想は成就したも同然になる! その時こそ、この紅桜は白夜と桜月を凌駕出来ると言うのだ!」
「そんな事の為に多くの血が流れたんだぞ! それでも兄者はまだそんな妄想に走ろうと言うのか!?」
「幾ら血が流れようと構わん! この紅桜が最強の刀となるのならば、例え江戸を火の海に変えようとどれ程の血が流れようと、それが拙者のたった一つの望みなのだからなぁ!」
まるで狂気だった。この男は自分の作った刀を仕上げる事しか頭になかった。その後の事もその間で起こる過程すらもこの男には全く無関心な事でしかなかったのだ。ただ、紅桜を仕上げる事。そして、それを用いて白夜と桜月を超える事。それしか頭になかったのだ。
「さぁ、銀時殿よ。白夜を渡して貰おうか。それが無ければ紅桜は完成しないのだ!」
「あぁ? 何でだよ」
「紅桜の完成には白夜と桜月のデータが必要だ。だが、残念な事に白夜のデータが殆どないのだ。これでは完成したとは言えん。此処にある紅桜は言わば桜月のコピーでしかないのだ。これでは桜月には勝てても白夜には勝てん! だが、桜月と白夜の二つのデータを取り入れれば、紅桜は正しく天下無双の刀となり得るのだ!」
「あっそう、それじゃ尚の事これを渡す訳にゃぁいかねぇなぁ」
「貴殿は今自分が置かれている状況がまるで理解出来ていないようだな。今、貴殿に選択肢はないのだぞ!」
「生憎だな。例え背中からザックリやられようとそれにどてっ腹を貫かれようと、こいつだけは悪用させる訳にゃぁいかねぇ。そんな事したら、あいつが悲しむ事になるんでな」
「あいつ? それは紅夜叉の事か? 何を世迷い言を言っているのだ。その紅夜叉を殺したのは他でもない。白夜叉。貴様であろうが!」
銀時を指差し豪語する鉄矢。そして、その言葉に驚く鉄子。
一体どう言う事なのだろうか。銀時が紅夜叉を手に掛けた? 紅桜の真の目的は白夜と桜月を凌駕する事。そして、その為には白夜が必要になる事。
果てさて、これから先どんな風に話が進むのか?
それはまた次のお話っつぅ事で今回はこれにてお開きとさせて頂きます。
つづく
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