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駄目親父としっかり娘の珍道中
第74話 後ろには気をつけよう
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! 例え黒い球、略して黒玉が100発来たって皆弾き返してやっからよぉ!」
「キャー! なのはさんカッコエー! まるで何処かの鉄の城みたいぃぃぃ!」
「キモッ! 武市先輩が黄色い声を出すと騒音にしかならないっすよ!」

 何はともあれこれで一安心と言えるだろう。目の前に展開している桂の手勢たちは皆躍起になって偽装船を守っている光の壁をぶち破ろうと先ほど以上に砲弾を連射してきている。だが、幾ら砲弾を浴びせようと光の壁はビクともしない。それだけなのはの力が凄まじいと言うのであろう。

「にしても凄まじい力っすねぇ。正直魔法の力なんて私信じてなかったっすよ」
「ご存じないのですかまた子さん。我々江戸の人間だって30歳まで童貞を貫き通せば魔法使いになれるのですよ。嫌、私は願わくば魔法少女になりたいのです!」
「なれるかぁ! 仮にあんたがなったとしても魔法少女じゃなくて魔法変態じゃぁ!」
「誰が変態ですか! 仮に私が変態だとしてもそれは変態と言う名のジェントルマンですよ!」
「格好つけて横文字使ってんじゃねぇよ! それで誤魔化したつもりっすか! そんなんでこの私を誤魔化すなんて1万と2千年早い―――」

 二人の醜い痴話喧嘩を突如として爆発が遮った。丁度二人の真ん前に位置する甲板に敵の砲弾が飛来し、爆発したのだ。後1,2メートル程位置がずれていたら危うかった。幸い直撃は避けれた物の、一体何故砲弾がこちらに飛んできたのか?
 疑問に思った二人の答えはなのはを見る事により瞬時に解決した。
 目の前でなのはは相変わらず手を翳して光の壁を展開している状態ではある。あるのだが、今は両手ではなく片手でそれを行っているのだ。そして、開いたもう片方の手で必至に背中に手を回して何かをしている。

「な、なのは……一体何してるんすか?」
「いやぁ、ちょっと背中痒くなっちゃってさぁ。この服着慣れてないから擦れちゃったみたいなんだよねぇ」

 要するに痒い所に手が届かない為に悪戦苦闘中だったようだ。さっきまで両手で維持していたのを片手でやる羽目になった上に背中の痒みの為に結界の展開に意識を集中出来ずに居た為に、その結果として偽装船を守っていた結界の強度が弱まりだしてしまったと言うのだ。

「誰か、誰か急いで孫の手持って来るっすよぉ! 死にたくなったらさっさと持ってくるっす!」

 このままだと結界が破られるのも時間の問題になってしまう。が、結界を張っている当の本人はそんな事よりも背中の痒みの方が重大らしく顔を真っ赤にして痒い所に必至に手を伸ばしている。が、生憎その痒い場所と言うのが背中の丁度真ん中より少し上辺りらしく、手が届かずの状態となっていた。
 その間にも敵から夥しい量の砲弾が降り注いでおり、防ぎきれなかった砲弾が偽装船にぶつかり爆発すると
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