マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0961話
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ただちょっと考え事をな」
そうだな。確かに色々と気になるところはあるが、ここで新生龍を倒してしまえばどうとでもなるか。
「よし、準備はいいか? トリニティゲインを出すから、すぐに乗り込め。それまでの間は俺があの2匹の動きを止めてやる」
「任せた」
「……あまりに遅いようなら、俺が仕留めるからな」
そう告げ、脳裏に浮かんだリストの中からトリニティゲインを選択。
次の瞬間、森の中に40mを超える高さを持つ特機の姿が現れる。
「ギャアアアアアアア?」
赤い方の新生龍が、突然自分達の近くに現れたトリニティゲインの方を見て、不思議そうに首を傾げる。
それを見ていた黒い新生龍が、何だこれ? とばかりに森を破壊しながら近づき……
「残念だがそこまでだ」
聞こえないだろうとは思いながらも、魔法を発動する。
こういう時にはベストだろうと思われる、敵の動きを封じ込める魔法。
『紫炎の捕らえ手』
魔法の発動と共に、円柱状の炎が2匹の新生龍をその中に閉じ込める。
何だか『熱っ!』とかいう声が聞こえてきた気がしたが、そもそも新生龍が人の言葉を喋る筈もないし、恐らく幻聴だろう。
「ガアアアアアアアア!」
いきなり炎に閉じ込められて困惑したのも一瞬。さすがにドラゴンの中でもそれなりのランクにいる新生龍らしく、炎の熱さに全く堪えた様子もないまま体当たりして円柱の中から抜け出ようとするが……
「甘いな」
普通の魔法使いが使った『紫炎の捕らえ手』であれば、話は別だったかもしれない。だが、この魔法を使ったのは混沌精霊である俺だ。しかも普通に発動する時と比べて数倍の魔力――正確にはSP――を込めている。
その結果、新生龍の体当たりを食らっても炎の中から抜け出す事は出来ず、新生龍は炎に体当たりしては周囲に激しい音が鳴り響く。
あの円柱は、炎は炎でも直接的な火傷の類を与えるようなものではない。熱さによる攻撃……強烈なサウナの中にいるような状態にはするのだが。
特に赤い体色の新生龍は、恐らく炎に対する強い耐性を持ってはいるのだろう。元気一杯に炎の壁へと体当たりを繰り返していた。
それでも炎の円柱を突破する事は出来ずにいる。
そんな俺の視線の先で、ムラタがトリニティゲインのコックピットへと乗り込んでいるのが分かる。
そして数十秒。苛立たしげに2匹の新生龍が炎の円柱へと体当たりしている中、トリニティゲインの目が光り、起動が完了したのを教えてきた。
『アクセル、もういい!』
外部スピーカーから聞こえてきた声に従い、指をパチンッと鳴らす。
すると次の瞬間には炎の円柱が姿を消し、丁度体当たりをしようとしていた黒の新生龍がそのまま真っ直ぐにトリニティゲインの方へと
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