【D×D】誤解だ。良い人掃除男と呼ばれる事もある
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サディストらしいからな……ありえるぞー、これはかなりガチな雷落ちかねないぞー」などと、彼としては珍しく本格的に見当違いな事を考えていた。
が、その姿にバラキエルは全く違う印象を受ける。
自分は大したことをしていない――彼の目にはそのような謙虚な姿勢に映っていたのだ。実際に箒は事情を全て知っていれば「別に俺、言いたいこと言っただけだし」と素っ気なく返すくらいの態度はとるだろうが、「やはり彼は謙虚だな」とバラキエルは笑顔で頷いた。
恩着せがましい男だったり自己顕示欲の強い男、おだてに弱い男だとこれからも娘と付き合わせるにあたって父親としての不安が残る。別に娘の恋人という訳でもないが、少なくともバラキエルにはその態度が好ましく思えた。
逆に箒の方はというと、バラキエルの顔がかなりゴツイ所為で笑顔に妙な圧迫感を覚え、「これ十中八九怒ってるな……慎重にワードセレクトを行わねば」と戦闘態勢の段階を引き上げる。
――ここで幸か不幸か、箒は初めて一般人で存在する人間に近い心を持つ人外との対話を果たしていた。バラキエルの態度のそれは完全に子を持つ父親のそれであり、その印象が箒に「迂闊な事は言わない方がいいな」と思わせていた。
が、それが余計に会話の混迷を極める事態へと発展する。
「ふふ。朱乃が君の話をするときはどこか楽しげな様子だったよ。あの子もよい友達を持ったらしい」
(その楽しげってまさかサディスティックな物だったのでは……あいつ結構根に持つタイプだからな。そしてその父親ももしかしたらサディストの可能性が微粒子レベルで存在している。良い友達という言い回しもまさか嫌味で……)
などと180度逆の方角に頭をフル回転しつつ愛想笑いで誤魔化す箒。
実際に朱乃が箒の話をする時というのは、「箒くんったら○○なんですよ?」とちょっと口を尖らせつつもやっぱり嫌いじゃない風な態度だったので、バラキエルはてっきり近所のいたずらっ子とその幼馴染のような付き合いをしているのだろうとちょっと勘違いしていた。
実際のその態度は友人としての立場と悪魔としての立場の間から見ると悩ましい彼の様子を示した態度だったのだが、朱乃は彼のおかげで父親と和解できた負い目があるからちょっとツンデレっぽい態度になってしまったのだ。
「そういえば聞いた話ではあの『停止世界の邪眼』の神器所有者も(純粋な意味で)随分可愛がっていたと聞くが……」
「あ、あぁー……あれは別にそういう(意地悪した)わけじゃないんですよ?ただ、本人が思っている以上に浅い部分に真実があると思ったものでちょっと手をば……」
以下、バラキエルの聞いた話。
神器を暴走させまくるせいで引きこもりになってしまったギャスパーに、箒はあるプレゼントをした。
それは小さめの丸サングラス。箒曰く、「これが
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