【D×D】誤解だ。良い人掃除男と呼ばれる事もある
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住民が怖がってい………って、何を作っているんだ?」
「おお、バラキエルか!いやぁちょっとテンション上がっちゃってな!だが見ろこの新兵器を!!俺と箒の共同開発した『バクオンパー試作16号』だ!!理論上はケルベロスの鼓膜を粉砕する威力にまで達したんだぜ!基礎理論はほぼ完成!後はこれをダウンサイズして本格的な術式を組み込ん……って、お前が来たってことはもう昼かよ?」
実は自分でバラキエルを呼び出していたアザゼルだったが、時間を忘れて作業に没頭しすぎていたために時間帯に初めて気づいた。箒も同様で、掃除そっちのけでのめり込む位置に若干ながら魔法知識を身に着けてしまったりしている。……ほぼアザゼル直伝のこの技術が未来に悪用されない事を願うばかりである。
「あんたがバラキーさんっすか。朱乃の親父だって聞いてましたけど……………あいつ母親似なんすね」
(初対面でいきなりバラキーって……コカピーよりはマシか?あれ、なんでコカビーじゃなくてコカピーにしたんだろうかこの青年は)
「おいコラ。何故にバラキエルには敬語を使っておいて俺にはタメ口なんだ?」
「それだけアザゼルの事信頼してるってことだよ言わせんな恥ずかしい」
「素直に喜んでよいかどうか非常に微妙なレベルだ馬鹿野郎!!」
「その馬鹿野郎と同じノリで音響兵器作ってる馬鹿が目の前にいるんだが……」
「こまけぇこたぁいいんだよッ!若ぇ奴がそんなことくよくよ気にすんな!」
(……アザゼルめ、やたら仲が良いようだな)
二人きりだと割といつもこんなテンションの二人だが、研究者肌な部分で妙にウマが合うのか良好な関係と言えなくもない。
で。
自分の上司と非常に仲睦まじげ(悪ガキ的な意味で)な青年を見たバラキエルは目を細める。
それは、昨日の事だった。バラキエルは娘にどうしても一度会っておきたくて、朱乃の元を訪ねた。
朱乃は私を見ても怒鳴ることはなく、かといって許す風でもなく、元は家族で住んでいた神社へと案内した。食卓に座らされ、食事を用意すると表情のない声で言われる。
……逃げ出したかった。
その態度は好意的とはお世辞にも言えない。むしろ、淡々とした態度だからこそそこにかつての自分の過ちを責めるような棘がある気がした。朱乃は妻に似て美しく育っていたが――その妻が死ぬきっかけを作ったのは間違いなく自分。快く思っている筈もない。
食事を用意する朱乃の背中が、亡き妻の朱璃とダブる。
悪魔に転生してしまったとはいえ、それを確認できただけでも収穫な気がした。
台所から流れる炒め玉ねぎの匂い。甘辛い調味料の食欲をそそる匂い。その何もかもが懐かしくて、その懐かしさがどうしようもなくもどかしい。
食事が用意され、いただきます、と合掌する。朱乃も同じように合掌した。
この食
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