空白期 中学編 23 「聖夜のひと時」
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てのは知ってるし、ショウくんと同じくらいの腕前だってことは聞いてたけどさ。でもだからって今みたいにはっきり言えるのかな。
もしかして……私は昔からお母さんのお菓子は食べてきたから分からないとか。ショウくんは前からお母さんに教えてもらってるからかお母さんと似たような味がしそうだし。
でも味の違いについて分からないのはパティシエの娘としては思うところがあるといいますか、会話に参加できないのが悔しいというか寂しいというか……。
「しょうがないだろ。最近はあまり作ってなかったんだから。それにディアーチェから、つい食べ過ぎるから作るなって言われてるし」
「それは惚気ですか? 相変わらず仲がよろしいようで」
そうやって毎度のようにからかうのやめてあげようよ。シュテルも小さい頃と違って女の子らしくなったんだから、体重を気にするディアーチェの気持ちだって分かるでしょ。
だって……こんなにも美味しいんだもの。
私だったらあったら我慢できずに食べちゃうよ。一緒に暮らしてたならおねだりしちゃうかもしれないよ。おねだりしないどころかやめるように言えるディアーチェは尊敬する。
……流れ的に仕方がないかもしれないけど、私はいったい何を考えてるんだろう。
ディアーチェは勉強のためにショウくんの家にホームステイしているだけであって、別にショウくんと云々かんぬん……みたいなことで暮らしているわけじゃない。
――もう私のバカバカ。何で一緒に暮らしてたら、とか考えちゃったの。
というか、ディアーチェって凄いよね。私もアリサちゃんから子供だとか言われることがあるけど、昔よりは異性との距離感とか意識している。一緒に暮らすどころか、お泊りでも緊張で無理かもしれない。
あれ、だけどフェイトちゃん達の家には何度か泊まったことがある。フェイトちゃんの家にはクロノくんがいるときもあるわけで、はやてちゃんの家にはザフィーラさんがいるよね。
いや、でもショウくんの場合はレーネさんがあんまり家にいないことが多い。けどみんなの家では誰かしら他に人がいたわけで、つまりは条件が違うというか。あぁもう、何でこんなこと考えちゃうんだろう……そっか、今日がクリスマスだからか!
「……なのは、あなたはそんなにもお腹が空いていたのですか?」
「え?」
シュテルの問いかけに意識をケーキに向けてみると、つい先ほどまであったはずのものが完全に無くなっていた。口の中に甘さが残っていることから考えて、私が全て食べてしまったのだろう。
「あ、そ、その……これは」
「百面相しながら凄まじい勢いで食べていましたよね。私の食べかけでよければ食べますか?」
「いや、その、だから……別にお腹が空いてたとかじゃなくて」
「遠慮せずに食べてください。……まあ『シュテルの食べ
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