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魔王の友を持つ魔王
§65 縁
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礼か。

「ッ!!」

 鎌と鉄棒が打ち合う。十合、二十合。最初は互角。次第に黎斗が有利となる。普段のアテナとは違う。酒呑童子の時よりも、相手の消耗具合が凄まじい。このままではもうもたないのではないか。否。こういう”死にかけ”が一番恐ろしい。ならば、どうすればいい? 考えながらも身体は動く。蹴りを躱したアテナに蜻蛉切を叩き付ける。鎌で受けるアテナを、力任せに吹き飛ばす。雷の呪縛で相手の腕を拘束するも、即座に解かれ、一瞬しか時間を稼げない。海の上を転がるアテナに一足で追いつき、左腕で掴もうとして、失敗。石化の視線と邪眼が交差する。

「―――――勝てばいい、か。我がもとに来たれ、勝利の為に」

 唱えるは白馬の聖句。太陽の欠片を天より落とす、超絶火力たる焔の一撃。

「相変わらず器用な真似を。暗黒よ! 妾が愛し、妾と共に在り続けた聖域よ。女王の滅びに立ち合う、忠義の衛士たれ。勅命である!」

 闇のドームが、白馬のフレアを拒む。拮抗する光と闇。天と地の覇権をかけてせめぎあう両者を。

「来たれ、色無き輝く御柱」

 まとめて黎斗の最大火力が薙ぎ払う。

「消し飛べぇえええ!!」

「――――」

 白馬と暗黒を飲み込み、アテナすらも飲み込んで、破壊光線は荒れ狂う。水平線の彼方まで、海を割り、空間を歪め、熱波を周囲に撒き散らし、滅びを世界に体現する。抵抗など微塵も許さず、只々圧倒的な破壊力で。生存など出来るはずもない。

「相変わらず凄まじい威力だな黎斗よ!」

 だが、必殺も、当たらなければ意味などない。

「マジか!?」

 一瞬、動揺する黎斗。効かない相手が多すぎて慣れてきたともいう。

「はぁ!」

 ダーインスレイブと大鎌が交差する。もつれ合い、飛んでいく武具。徒手空拳で殴り合いを始めながらも黎斗の口は言葉を紡ぐ。

「天空よ、我が名の下に裁きを与えよ。未来より迫る滅びを縛れ。左に剣を。右には鎖を。我が(かいな)を贄とし汝を封ぜん!」

「くっ!」

 逃げようとするアテナだが、破滅の呪鎖(グレイプニル)から逃れることは叶わない。捕まえている黎斗の腕ごと、鎖がアテナを拘束する。

「自らも捕えるか!」

「こーすんだよ!」

 口に三日月宗近を咥え、自分の左肩から切り落とす。これで、拘束されているのはアテナだけ。

「痛っ……」

 新たに再生した左腕で輝くは破壊光線の光。

「……どうやらここまでだな」

 何処か清々しさを感じさせるため息と共にアテナが呟く。

「僕の勝ち、かな?」

「そうだな、妾の負けだ。止めを刺せ。いくら妾が弱っている状態であなたの前に現れたとはいえ、もしかしたら権能を簒奪できるかもしれぬぞ」

「別
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