第9話
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「こんにちは、曹操さん」
「ええ、こんにちは」
「おお、曹操殿あの時は知恵を貸して頂き助かりましたぞ!」
「そう?、また何かあったら言いなさい」
「曹操様、罵って下さい!」
「近寄らないでちょうだい」
―――いつぞやの問答騒ぎの一件後、皆に頭を下げた曹操は受け入れられた。
当初は突然物腰が柔らかくなった彼女に皆が驚愕していたものの、今ではほとんどの塾生達と交流を持っている。
「ん?麗覇、今日はいつもよりごきげんだな」
そんな彼女を満足そうに見ていた袁紹に公孫賛が声をかけた。
「わかるか白蓮、孟徳が受け入れられているのも嬉しいが実は実家から手紙が来てな」
さらっと真名で呼び合う二人は、つい先日真名を交換し合っていた。
「へー、で?いい知らせがあったんだろ?」
「うむ!我に妹が出来たようでな、名は『袁術』腹違いではあるがれっきとした我の妹よ!!」
「へぇっ!そいつはめでたいな!!」
まるで自分のことのように喜ぶ公孫賛に袁紹もさらに気を良くする
「何がめでたいのかしら?」
と、そこに皆との話しを切り上げた曹操がやって来た。
「ああ、実は麗覇に妹が出来たらしくてな」
「へぇ妹が、おめでとう『袁紹』」
「ああ、ありがとう『孟徳』」
先日の一件以来お互いを認め合ったことで真名を交換する条件は達成していたものの、あくまで認め合っていたのは二人の心中の中での事だったため、二人は互いに真名を交換する時を計りかねていた。
「なら、一旦戻るのかしら?」
「いや、しばらくここで学ぼうと思う。妹の顔を見れないのは残念だがな」
三年後の楽しみに取っておく――、袁紹は私塾の彼等との交流を優先することにした。
………
……
…
「いっくぜぇ麗覇様」
「うむ、いつでも来い」
私塾での勉学や交流を終えると、斗詩や猪々子等と手合わせによる武の鍛練を行う。
「ぬぉりゃぁぁぁぁ!!」
「むぅっ!?」
猪々子の大剣から繰り出される重い斬撃をなんとか受け流す。
「猪々子、また重さが上がったな!!」
「へへっ、春蘭に負けてられないからさ〜」
「麗覇様達が私塾に行っている間、文ちゃんは夏侯惇さんと模擬戦して来たんですよ」
観戦していた斗詩が情報を捕捉してくれた。
「ほう――して結果は?」
「それが……」
結果が芳しくなかったのか斗詩は表情を暗くする。
「いやぁ、実は負けちまってさぁ……」
そんな彼女に代わり猪々子が結果を報告した。
「で、でも文ちゃんすごかったんですよ!!最初は押していたしそれに―――」
「いいって斗詩、負けたのは事実なんだからさ」
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