第9話
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「でも……」
「それに、ただ負けてきたわけじゃないぜ麗覇様」
「ほう?」
負けたと報告したにも関わらず彼女の顔に不の感情は感じられない。
それどころか瞳は燃えるように輝き、口元は不適に笑みを浮かべていた
「春蘭との一戦の後、アタイに何が足りないのかなんとなくわかったんだ。だから、今はまだ勝てないけどきっといつか勝ってみせるさ!!」
「……そうか」
新たな目標を見出した猪々子に対し斗詩はどこか暗い雰囲気を纏っている。
「斗詩!!」
「は、はい!?」
袁紹には彼女の憂いが何か察しがついていた。
「そう焦る必要などない、今はまだ猪々子に及ばなくも伸び代は決して劣っては無いぞ」
「そ、そうでしょうか?」
彼女は親友と自分の間に出来た武力の差で悩んでいる。伊達に側で彼女等と行動し続けていたわけでは無いため、
袁紹には彼女の悩みが手に取るように理解出来ていた。
「我が保障する!だから面を上げよ、斗詩が見出すべき目標は下には転がってはいないぞ!!」
「っ!? そう……ですよね、わかりました麗覇様!」
「うむ、では今度は斗詩が打ち込んで来い。」
「え、今アタイの番じゃ――」
「行きます!!」
盛り上がった二人を猪々子が止める術も無く、しぶしぶ引き下がっ行く、しかし憂いが消えた親友の表情に安堵し、満足そうに二人の鍛練を見学していた――
………
……
…
私塾で学友達と研鑽しあい、側近の二人も腕を磨き続け三年という月日はあっという間に流れた―――
最後の挨拶にと、曹操、袁紹、そして公孫賛が顔をあわせる。
「私はこれから陳留で太守を務めることになっているわ」
「ほう……その若さで、さすがだな孟徳」
その袁紹の言葉に曹操は――お祖父様の周りの者達は私を手元で扱う自信がなくて厄介払いしたかっただけよ、と付け加えた。
「我は袁家当主の座へと就くことになっている。白蓮はどうするのだ?」
「ああ、私は――ってちょっと待て!今なんかサラッとすごい事聞いた気がするぞ!?」
「落ち着きなさい白蓮私にも聞こえたわ、――冗談かしら?」
「いや事実だ、これから袁家は我が取り仕切ることとなる」
「「……」」
これには二人も開いた口が塞がらなかった。それもそのはず、名門袁家の当主をこの間14になったばかりの袁紹がなると言うのだから
「なら、次相見えるのは時代の激動の中でかしらね」
「多分……そうだろうな」
「え?激動?」
「白蓮、この先時代の機微に気をつけなさい。恐らくあと数年で動き出すはずよ」
「そ、そうなのか……わかった」
いまいち
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