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魔法少女リリカルなのは〜過ちを犯した男の物語〜
六話:ルドガーと骸殻
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。そして彼はこの場に居る者を強い意志の籠った眼で見据えると小さくも良く通る堂々とした声で名のりを上げた。


「僕は時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。詳しい事情を聞かせてもらう。抵抗しなければ身の安全は保障しよう」


黒い髪、黒い服、そして黒い杖。イメージとしてはヴィクトルに近い物がある少年は事情を聞かせてもらうとこの場にいる全員に話しかける。それを聞いたルドガーは抵抗しなければなのはの安全は保障されると考えて構えを解く。

一方のヴィクトルは時空管理局という名を聞いた瞬間から逃走の経路を考え出して、動いていた。自分達が今やっていることは犯罪なので警察の様な組織である管理局に見つかった場合は逃げ出すことを前もってアルフとフェイトと話し合っていたからである。彼はフェイトの方に走りながらアルフとアイコンタクトを交わす。

彼の意図を察したアルフはクロノに向けてオレンジ色の魔力弾を放つ。咄嗟に反応したクロノは防御魔法を使い、魔力弾を完璧に防いでみせる。そして、状況確認の後に、魔法障壁を消した彼は、持っているデバイスを襲撃者、アルフに向けて構えるが、そこにまたしてもオレンジ色の魔力弾がクロノに襲いかかる。


「くっ…!」

「フェイト! 今のうちに逃げるよ!」

「わかった!」


アルフの放った攻撃は相手にダメージを与えるのが目的ではなく目くらましが目的だったのだ。視界を塞がれたクロノが身動きできない間にフェイトはバインドを解除(レジスト)して逃げ出す。その間にヴィクトルは地上にあったジュエルシードを素早く回収してアルフと共に駆け出す。だが、動けるようになったクロノが彼等の逃走を阻むために最も近くに居て、尚且つ魔導士であるフェイトを狙って攻撃を仕掛ける。


「逃がすか! スティンガーレイ!」


クロノが今まさに放とうしているのは速度とバリアの貫通能力を重視した魔法である。ヴィクトルは魔法を知らないのでそのようなことは分からなかったが長年の戦闘により鍛えられた勘によりフェイトが危機的状況であることを理解した。そこからの彼の判断は早かった。ポケットに入れておいた父の形見でもある黄金の懐中時計に触れ禁忌の力を開放する。



「骸殻……解放!」



ヴィクトルの体から黄金の光が溢れ出し、まるで日の出のように辺り一面を照らす。驚く一同を無視してヴィクトルはその光の中から軽々と数メートル程飛び上がりフェイトに襲い掛かっていた魔法を、手に持った赤と黒で統一された禍々しい巨大な槍で粉砕して、そのままの流れでフェイトを抱きかかえて地面へと降り立つ。

そこで、ついにその姿の全容を一同にさらすことになった。闇に溶ける様な黒を基調とした鎧を思わせる装甲が全身を覆い、血のように赤いラインが身体中に
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