マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0960話
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ものか。
そんな風に考えていると、不意にヤオの声が響く。
「見えました、あそこがシュワルツの森です!」
その声に、大型VTOL輸送機の中にいた殆どの者が窓の外へと視線を向ける。
出来れば、ここで新生龍が襲い掛かって来てくれればあっさりと片付けられて、最適な展開なんだが。
もっとも、その場合はムラタの出番が無くなる可能性も高い。
俺のそんな考えを、まさか向こうが察知した訳ではないだろうが……結局2匹の新生龍は姿を現す事がないままに、機体はヤオの指示した森の中でぽっかりと空いている空間に無事着地する事に成功する。
こうしてみると、滑走路代わりに利用できるような空間はないし、そもそも下が土である以上滑走路として使おうというのは難しい。それを思えば、やはり大型VTOL輸送機で来たのは正解だった。
そのまま全員が機体から降りたのを確認し、空間倉庫の中に収納。そこからはヤオの案内に従って現在ダークエルフが避難している場所へと向かう。
ちなみに影のゲートを使って転移しなかったのは、先程も考えたようにあわよくば新生龍が襲い掛かって来てくれないかと考えていたのもあるし、初めて遭遇するダークエルフに無用な警戒心を抱かせない為というのもある。
……それと、ロゥリィの怖がりようもか。
ダークエルフ云々というのは、俺が混沌精霊であると知ればどうとでもなるだろうが、ロゥリィの恐がりようはちょっとな。
ヤオがロゥリィに対して崇める……とまではいかないが、丁重に扱っていたのを思えばダークエルフに対してロゥリィの存在は色々と有利な一手になるだろう。
そんな理由から、森の中を歩いて現在ダークエルフが避難している場所へと向かったのだが……
「……やっぱりこうなるのか」
目的の集落に到着したアクセルは、自分の前で跪いているダークエルフ達に思わず溜息を吐く。
最初にダークエルフ達が隠れている集落に近づいた時には、向こうも警戒していたのだ。
当然だろう、2匹もの新生龍に襲われここまで逃げてきたのだから。
だがその警戒していた者達も、俺達を案内する為に先頭にいたヤオを見つけた瞬間、厳しく引き締まっていた表情が歓喜へと変わる。
同時に、大声でヤオが俺達を連れてきたというのを叫び、生き残っていたダークエルフのうち、今この場にいる殆どの者が俺達を出迎え……俺の姿を確認した瞬間、ホドリュー達の集落と同様の流れになってしまった訳だ。
「まぁ、お前達がそうしたい気持ちは分かる」
いや、分からないけどな。ただ、この場合はそう言わなければ話が進まないのでそうしているだけで。
「けど、俺はそういう態度を取られるのをあまり好んでいない。普通に……というのはお前達の事を思えば無理だろうが、せめて崇めるというのはやめてく
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