第百四十七話 ホーリーストーンを巡って
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見開いた。
タケル「あれ?」
同じマンション住まいの為、タケルと京、伊織は帰り道が一緒なのだが、当の伊織は2人と共に帰ろうとせず、ウパモンを抱えて横断歩道の前に佇んでいた。
タケル「伊織くん、今日は稽古?」
伊織「……あ、はい。失礼します」
タケルに一礼し、伊織は横断歩道を渡って走り出した。
そのランドセル越しの背中を、タケルはぼんやりと見送る。
ウパモン[伊織、どうしただきゃ?今日は稽古はないって言ってただぎゃ…]
伊織「…大輔さんに一乗寺さんのパイルドラモン。ヒカリさんと京さんのシルフィーモン。フェイトさん達は単体で超進化やワープ進化が出来るし、あの人達も…大輔さんや一乗寺さんの例外を除けば、次にジョグレスするのは僕とタケルさんということになりますよね?」
ウパモン[そうだぎゃ。それがどうかしたんきゃ?]
伊織「ウパモン、怒らないで欲しいんだけど。僕はタケルさんが分からないんだ。」
ウパモン[へ?]
伊織「確かにタケルさんの気持ちは分かります。でも、悪いのはデビモンであって全ての闇のデジモンが悪い訳じゃない。ダスクモンも僕を助けてくれたし…ブラックウォーグレイモンだって大輔さん達を殺さなかった」
ウパモン[伊織ぃ…]
伊織「きっと、大輔さん達がホーリーストーンを消すのは何か事情があるはずなんだ。大輔さん達と話したい。話せば分かり合えると思う。だって、僕達は同じ選ばれし子供だから」
ウパモン[伊織…そうだぎゃ。その気持ちがあれば大輔達と分かり合えるだぎゃ。]
伊織の気持ちを尊重して、ウパモンも頷いた。
伊織「はい。明日、皆さんに聞いてみましょう。」
ウパモン[だぎゃ!!]
そしてウパモンを抱いて、自宅に向かう。
大輔「…少しはマシになったな伊織」
物陰で静かに伊織を見つめていた大輔が優しげな表情で見つめていた。
ブイモン[大輔、伊織とヒカリくらいには教えてやらないか?]
大輔「駄目だ。不確定要素は出来るだけなくしておきたいんだ…。全てが終わったら話す。絶対に」
ブイモン[そうか、大輔がそう言うなら俺はそれで構わないよ]
大輔「サンキュー、ブイモン。」
大輔はブイモンと共に聖竜学園の寮へ向かう。
根元から失ってしまった左腕。
もう普通に暮らせるくらいには慣れてしまった。
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