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【銀桜】7.陰陽師篇
第1話「雨ニモ負ケズ」
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てきた。
 銀時に少しでも女っ気があるとすぐ不機嫌になり、横入りすることが多い。その行動は実に極端で、長谷川から借りたAVのDVDを全て叩き割ったり、結野アナフィギアの首をへし折ったりするほど嫉妬深い一面がある。
 それを『嫉妬』と安易に呼んでいいのかわからないが……つまり彼女は銀時が異性に夢中だと相当怒るのだ。怠け者の銀時と違ってしっかり者の印象がある双葉だが、思ったより単純で子供っぽい性格をしている。
 シスコンである新八は家族の異性関係にやきもきする気持ちに共感できなくもないが、さすがに彼女の行動にはちょっと引き気味だった。
 部屋の片隅で怒り心頭している人物がいるなど知らない銀時は、結野アナと話を続けていた。
「今まで読めていたものが急に読めなくなった。何かあったんじゃないですか?」
「相談してどうこうなる問題じゃないんです。ごめんなさい」
「……やっぱり何かあったんですね」
 この件に裏がある事を確信づける銀時の物言いに、結野アナは何も返せなくなった。
 事が重大であることを悟った銀時は気取った表情もポーズも全て捨て、真剣な眼差しで結野アナを見据える。
「結野さん。私は一日乗り切る元気をいつもあなたの笑顔からもらっていた。あなたにいつも救われていたんです。だから今度は私達の番です。どうか協力させてください」
「……いいんですか。ホントに甘えちゃって」
 ぎこちなく聞き返してくる結野アナに、銀時はフッと笑って答えた。
「心配いりませんよ。我ら『万事屋銀ちゃん』はちょっとやそっとの危険なんてものともしま――」
“ドゴォォォォォォォォォォォォォン”
 いきなり轟音が壁を突き破り、万事屋の家具や社長机がめちゃくちゃにブッ飛ぶ。
 驚く銀時の後ろで爆風が吹き荒れ、その中からなんと頭に二本の角がつきでた巨大な『鬼』が現れた。
 誰かへの見せしめのつもりか。突如到来するなり、『鬼』は巨大な金棒を勢いよく投げ飛ばした。
 金棒が砲弾の如く飛ぶ先には……双葉が立っていた。
 いきなりすぎる攻撃にさすがの双葉もかわし切れない。誰もが直撃を覚悟するしかなかった。
 しかし――?

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 双葉の危機を救ったのは、驚くことに結野アナだった。
「チッ!気どられたか。東海の神・名は阿明、西海の神・名は祝良、南海の――」
 そして呪文を唱え、同時に空中に力強く星型の魔法陣を描き出していく。
「四海の大神百鬼を退け 凶災を祓う」
 完成した五芒星は結野アナの掌中で青白く光輝き出した。
「急々如律令ォォォ!!」
 天井高く跳躍した結野アナに光の五芒星を叩きつけられ、鬼は爆発と共に消えた。
 残ったのは半壊になった建物と、いつもと変わらない物腰柔らかな結野アナの姿。
 意味不明すぎる連続に誰もがた
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