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【銀桜】7.陰陽師篇
第1話「雨ニモ負ケズ」
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も強く雨が打っていた。

* * *

「テキサス、クラッシック音楽をかけてくれたまえ」
「かしこまりました」
 いつになくカッコつけた口調で、これまたわざとらしいくらいカッコつけた仕草で、銀時は万事屋のソファーに腰掛けて手足を組みポーズを決める。
 彼の指令を受けたテキサス―と勝手にニックネームつけられた双葉―はリモコンを手にして言われるがまま素直に実行した。
“ピッ”
 万事屋のテレビに電源が入り、『THE EDO』のニュースキャスターとコメンテーターの二人が映し出される。画面の端には『結野アナ ついに降板』『お天気お姉さんに一体何が!?』と派手な色の大げさな字体テロップが表示されていた。
【最近天気予報を外したおし視聴者からの苦情が殺到していた結野クリステルアナがついに『おめざめテレビ』降板という事態になりました】
【やっぱり彼女のやり方には無理があったと僕は思うよ】
 報道番組でお馴染みのキャスターが堅苦しい表情でニュースを読み上げ、その隣で 図々しく発言するのは芸能界でも有名な辛口コメンテーター・てりー。今回の降板事件を軸に結野アナについて色々語る意向らしく、てりーは容赦なく批判し始める。
【この科学の時代に何のデータも参考にせずに占いで天気を予報するなんて、フザけてるにも程があるよ。今回の事は起こるべくして起こったことだよね】
【しかし彼女がここまでの人気を得るにいたったのは、『占い』という不確定なもので天気を言い当ててきたというところも大きいのでは?】
【そう、それだよ】
 てりーはうんざり気味に溜息ついて語る。
【人間は神秘的なモノに惹かれてしまうものなの。特に『占い』なんて曖昧なモノが次々当たると、つい病みつきになってしまうんだよ。百発百中だが知らないけどね、僕から言えば今まで運が良かっただけで単にもう運に見放されただけの話でしょ。彼女だって自分の占いが当たるからって浮かれてたんじゃないの。だからバツイチアナになってしまったんだよ。まさしく人生に穴を空けてしまったってわけ】
 苦笑混じりに彼が言っているのは、結野アナのスピード結婚・離婚騒動のことだ。
 本人がいないことを良いことに、てりーは言いたい放題である。
【当たらない天気予報を誰が聞くかね。『晴天の笑顔』だとか言われてるけどさ、僕から見ればありゃ愛想振りまいてるだけの――】
“バコッ”
 突然てりーの声はブチリと切れ、万事屋唯一のテレビは破壊された。猛烈な蹴りを食らわした足をテレビから引き抜いて、銀時は電源をつけた張本人を睨む。
「バッキャロォォォ!社長はクラシック音楽かけろつったんだ。誰がテレビを作業用BGM代わりにかけろっつったァ!?お客様が来た時はテレビ消せってあれほど言っただろーが!!」
 怒鳴り声を上げる銀時は双葉から取り
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