暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
婚約者
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解放された。キュルケは頬を赤く染めながら、

「私は私で諦めてあげないから、覚悟しててね!ダーリン!」

 そう言うと、今度こそキュルケは宿まで駆けていった。
 暫く呆然としていた架はやっとのことで一言だけ呟く。

「な、なんだったんだ・・・一体。」









「どうしたんだい、ルイズ?」
「い、いえ!何でもありませんわ!」

 夜。ルイズとワルドの借りた部屋。そこでワルドが「久しぶりの再会に一杯やろう。」と言ってきたのだ。キュルケに言われて以降、ルイズは考え事で上の空状態だったが、気が付いたらもう準備ができていた。
 

「二人きりの夜に。」
「・・・ありがとうございます。」

 カチンとグラスを合わせ、二人とも酒を煽る。ルイズはまだ若いが、こうして挨拶程度に飲むくらいには慣れていた。

「それにしても凄いじゃないかルイズ。」
「え、何がですか?」
「あの使い魔君さ。まさか人間を使い魔にするなんてね。」
「やめてくださいよ、あれで手を焼いているんですから。」
「そんなことないさ。あの使い魔君の左手に刻まれたルーン。あれこそが伝説の使い魔であり、君が特別な存在の証さ。」
「伝説の・・・使い魔?」
「ああ、始祖ブリミルが使役したとされる四体の使い魔の内の一人『ガンダールヴ』。彼のルーンはその『ガンダールヴ』の印なんだよ。」

 ルイズは架がサーヴァントというワルドとは別の意味で特別な存在だということは知っている。だが、ガンダールヴという言葉は初めて聞いた。ということは架も知らないことだろうか。同じサーヴァントのヴァロナは持っていないみたいだし・・・

「ルイズ。」
「え・・・きゃっ!」

 ふと気が付くと、ワルドはルイズの手をとってきた。憧れの人に手を握られ、思わず赤面してしまうルイズ。そんなルイズの顔を覗き込むように見ながら、ワルドははっきりと告げた。

「この任務が終わったら・・・・・結婚しよう。」
「え!?」
「僕は魔法衛士隊の隊長で終わるつもりはない。いずれは国、いやハルケギニアを動かすような貴族になりたいと思っている。それには君が必要なんだよ。」
「で、でも、そんな、急に言われても・・・」

 いきなりのプロポーズにルイズは慌てふためく。しかしワルドの顔を真剣そのものだった。

「ルイズ、昔君のお屋敷での約束を覚えているかい?」
「約束?」
「ほら、君がお姉さんたちと魔法の出来を比べられて、小船の中でいじけていたじゃないか。」
「い、嫌な思い出ね・・・。」
「ははは、ごめんごめん。でもその時の僕の言葉も思い出してほしいな。」

 そうだ、あの時・・・



――――――大丈夫だよルイズ、僕がついてる。


 そうだ。魔
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