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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
婚約者
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もう見えなくなったルイズたち一行に向けて、アンリエッタは手を組んで祈っていた。
「始祖ブリミル、どうか彼女たちにご加護を・・・。」
場所は学院長室。彼女以外に部屋にいる人物は二人、オスマンとコルベールだ。学院側で任務のことを知る者はヴァロナを含めるとこの三人だけ。本来コルベールは一般教師なのだが、ロングビルがいなくなってからというもの秘書代理として助手共々雑務を任されている。その故あって、ことの一件を知ったのだった。
「心配無用ですよ、姫様。彼らはきっと無事に帰って来るでしょう。」
アンリエッタが祈りを捧げている隣では、オスマンは呑気に鼻毛を抜いていた。
「ですが・・・」
「既に杖は振られた。もはや我々にできるのはただ待つだけですぞ。」
「ですがなぜ、そんなに余裕が持てるのですか?」
「ん、まあ彼がおりますからの。」
「彼・・・もしかしてあのルイズの使い魔ですか?」
「む?姫様、彼をご存じで?」
ええ、と答えながらアンリエッタは思い返す。ルイズに任務を頼もうとした際、真っ向から反対してきた彼。王宮ではこちらに媚びへつらう貴族たちばかり見てきたため、彼の言動は衝撃であり新鮮でもあった。
「私は・・・間違っていると。」
「・・・ふむ。」
憂鬱そうなアンリエッタを眺めるオスマン。架の言う「間違っている」ことというのは恐らくこの任務をルイズたちに任せることだろうと当りをつける。彼自身、学院長としては生徒に危険な真似をさせるのはあまり良しとは思っていないからである。
しかし、彼女たちは行った。生徒としてではなく、このトリステインの名を背負った貴族として。ならば自分が止めたところで無駄だろう。今更この決断に後悔はない。さて、では目の前で後悔してそうな人の慰めでもしてやるかのう。
「彼・・・カケル君はこの学院に来てまだ日は浅くての。ロクに会話したことがあるのはただ一度だけなのじゃよ。」
「・・・・・」
「最初私は思った。彼は一体何をするつもりなのかとね。」
「・・・?」
「彼の力は強力だ。事実、召喚されてすぐ、ドットとはいえメイジをものの数分で圧倒し、さらに姫様もお聞きしているとおりトライアングルクラスの土くれのフーケまでも撃退している。おまけに恐らく彼はまだ本気を出しておらん。正直、もし彼がこの学院に剣を向けたら総員で挑んだとして勝てるかどうか・・・」
「そんな・・・」
「だから私は確かめたかった。その力を彼は何に使うつもりのかを。そしたら彼はこう言ってきた。『ルイズのために使う』と。」
「!」
「使い魔なら当然かと思いますか?それは違いますな。確かに使い魔は主に好意的ではありますが、真に忠誠を誓うのは全てではありません。それが人間とい
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