暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
婚約者
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の光景に誰も何も言えなくなる。というか引いている。そんな皆などお構いなしに戯れるギーシュとモグラ。先ほどとは違う意味で何とも耐えがたい空気になってしまった。
 やがてルイズが呆れながら声をかける。

「あ、あんたの使い魔ってジャイアントモールだったの?でもそんなの連れて行けないわよ。」
「ふっ、甘く見ないでおくれ。ヴェルダンデはこう見えて地面を掘り進むのが速いんだ。」
「アルビオン、空。」

 不意にタバサがポツリと呟くと皆が「あ・・・」と声を漏らした。ただ架はタバサの言っている意味が分からずキョトンとしているが。
 と、不意にモグラ・・・ではなくヴェルダンデは鼻をヒクつかせるとのそりとルイズに近づいた・・・と思った次の瞬間にはルイズに飛びかかっていた。

「ちょ、ちょっと!何すんの・・・ってやだ!どこ触ってのよ!?」
「・・・何だこれ。」
「主人と似て女好きの使い魔ねぇ〜。」
「ちょっとカケル!あとキュルケも!呑気に見てないで助けなさいよ!」

 一人と一匹の様子を大人しく観察する面々。ルイズはたまったものではないとばかりに抗議の声を上げる。
 と、架はヴェルダンデが興味を示しているのはルイズというよりルイズの嵌めている指輪であることに気が付いた。
 あれはアンリエッタがルイズに託したもの―――確か『水のルビー』だったか。

「なるほど、指輪か。」
「どういうことギーシュ?」
「ヴェルダンデは宝石に目がないんだ。それが貴重なものなら尚更ね。」
「冗談でしょ!?姫様から頂いた物をモグラなんかにくれてやれるわけないわよ!」

 宝石が大好きな使い魔と聞いてついつい赤い悪魔のことを思い出していた架だったが、不意にばっとデルフリンガーを抜くと、一人と一匹を守るように立ちはだかった。

 ビュオウッッッ!!

 突然吹いた強風。だが、自然に起きたものではなく、魔法。誰かが自分たち―――正確にはルイズとヴェルダンデに向かって放ったものだ。

「誰だ?」

 架が声を上げると、上空から鷲の上半身と獅子の下半身の生物――――グリフォンが舞い降りた。
 グリフォンには、帽子をかぶり、マントを付けた長身の男が乗っている。男はヒラリとグリフォンから飛び降りると口を開いた。

「アンリエッタ様から同行を命じられた。グリフォン隊隊長、ワルドという。」
「ワ、ワルド様!?」

 男がワルドと名乗ると、ルイズが驚きの声を発した。

「先ほどは失礼。何せ僕の婚約者がモグラに襲われているのかと思ってね。」

「「「こ、婚約者!!??」」」

 ワルドの発言に今度は架、キュルケ、ギーシュが驚いた。
 ワルドは三人を他所にルイズの方へと駆け寄っていた。

「ルイズ、久しぶりだね!ははは、相変わらず君は
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