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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
婚約者
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翌朝、まだ生徒たちも起きていない早い時間にルイズたちは出発の準備をしている。皆黙々と行っているのだが、それはある人物の醸し出す空気のためであった。
「・・・・・」
言うまでもないが、ルイズのものだ。この場に来てから一言も発してないが、その様子は明らかに「納得いかない」と語っている。
そして、その矛先が誰なのかは無視をしてるつもりでもチラチラとその人に視線を送っていることで明らかである。
いい加減この空気に耐えられなくなったのか、ギーシュが肝心の男―――架に話かけた。
「カ、カケル?そ、その・・・ルイズと何かあったのかい?」
「別に。」
これである。ルイズほど不機嫌さを出してはいないが、その表情や声はどこか暗い。何かあったのは間違いない。そういえば、昨夜から・・・。
ギーシュがうんうん考えていると、キュルケがそっと耳打ちしてきた。
「ダーリン、ルイズがアルビオンに行くことにずっと反対しているのよ。昨日の夜、あれからさらに二人でモメたみたいなの。それで最終的にダーリンが『俺だけで行くからルイズは残れ』って言ったらルイズも堪忍袋の尾がキレちゃって。」
「ふうむ、貴族としてはルイズに味方してやりたいところだが、カケルの言い分も否定出来ないな。やはり男として、レディに危険な旅はさせたくないからね!」(キリッ)
「いや何突然バラなんかくわえてんのよ。あとどうしたのよその目の隈。おかげで余計にカッコ悪いんだけど。」
「いや余計って・・・。まあ、これはその、む、武者震いして眠れなかったからね。」
誤魔化すようにあははと笑うギーシュ。実際は武者震いなどではないのだが、もし事の真相が我が愛しのモンモランシーにバレたら何を言われるか分かったものではないため、ここで話すわけにもいかない。
話題を逸らそうと悩むギーシュだったが、皆に話しておこうと思っていたことを思い出し、「あ、そうそう。」とカケルや離れたルイズにも聞こえるように声を上げた。
「君たちに相談したいことがあるんだが。僕の使い魔を連れて行っても構わないかね。」
「アンタの使い魔?どこにいるのよ。」
ギーシュの声にルイズが近寄りながら尋ねてきた。その際露骨に架を無視しようとしているのがこの場にいる全員に伝わっている。
「もうここにいるよ。」
「・・・どこにもいないじゃない。」
ルイズたちが辺りを見回すが、それらしき影も見当たらない。ギーシュはフフンと得意げな顔になり、靴で地面をトントンと叩いた。
すると、ギーシュの足もとの地面がモコモコと動き出したかと思うと、そこから顔をだしたのはサイズが人間ほどある巨大なモグラだった。
「ああっ!ヴェルダンデ!僕の可愛いヴェルダンデ!」
突然ギーシュがモグラに抱き着いた。そ
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