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少年少女の戦極時代・アフター
After13 “ロード・デューク”
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少しの知恵と手段を与えただけ。帰った後の彼らがどこで何をしようと、それは私の与り知らぬことだよ。それに彼らはあくまで本当にこの星へ帰れるか試すための先発隊。むしろ志願した勇気を讃えるべきではないかな』

 殴りたい。
 心からそう思ったが、実行しなかった。
 今のは、相手の腹を探るなど、似合わない真似をした戒斗が悪い。

(小難しいことを考えるのは別の奴の役目だ)

 相手が怪人ならば、こちらも怪人でなければ敵わない。
 そう判断した戒斗は、半径100M圏内に人間がいないことをオーバーロードの卓越した五感で確認してから、自らもロード・バロンに変異し、杖剣を構えた。

『うおぉぉ!!』
『ははっ、そう来なくっちゃ』

 ロード・デュークが構えた武器は、ゲネシスライダーが使っていた物よりさらに大きな弓。まるでヘルヘイムの植物で作ったように、弓全体に蔓が巻きつき、所々にヘルヘイムの花が咲いていた。

 先攻はロード・デュークから放たれたソニックアロー。ロード・バロンはそれを避けた。
 すると、相手の深緑色の両目が妖しく光った。

 ロード・バロンは直感任せにその場を飛びのいた。

 やはりと言うべきか、背後からソニックアローが飛んできた。
 彼が避けたことでソニックアローは方向転換し、再びロード・バロンに狙いを定めて飛来した。

(追尾式の矢か。厄介な)

 3度目のホーミングアローを、ロード・バロンは杖剣で斬り落とした。

『やるじゃないか。でも、まだまだあるんだ』

 ロード・デュークは連続してストリングを引いては放した。次々とホーミングアローが放たれ、避けるロード・バロンを執拗に狙ってくる。

 ロード・バロンは一度工場の壁にぴたりと背中をつけ、アーマードライダーバロンに戻った。
 戦極ドライバーのカッティングブレードを3回切る。

《 バナナスパーキング 》
『は――ぁ!』

 真正面から飛来したホーミングアローを、バナナ型のソニックブームで全て打ち落とした。

『ここであえて弱体化するなんて。なかなか肝が据わってるじゃないか』

 状況に合わせて使い分けているだけだ。
 バロンは思ったが、答えてやる義理はなかったので、無言でバナスピアを構えた。

『それじゃこういう趣向はどうかな』

 ロード・デュークは天に向けてソニックアローを放った。ソニックアローはバロンの頭上で弾けた。
 矢が次々と地面に突き刺さった。問題はその矢の性質だ。

 矢の一本一本が実体を持ち、バロンを囲む檻を形作っていたため、バロンはその場から動けなくなった。

『この、程度っ』

 オーバーロードに変異すれば破って出ることはできる。バロンは変異に集中して――気づいた。


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