After8 甲殻奇兵 @
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がした。
鍬木は転がったペコの胸板を踏みつけた。強く圧をかけているのが、ペコの痛がり様からチャッキーにも分かった。
「やめて! お願い! ペコ死んじゃう!」
「アーマードライダーは排除する。それが任務だ。――お前も」
鍬木の目がチャッキーに向いた。無感動なまなざし。チャッキーも本当は怖かったが、勇気を総動員して鍬木を睨み返した。
「ロックシードを持っているなら、早くドライバーを出して変身したらどうだ」
はっとした。ヨモツヘグリロックシードはチャッキーの手の中にあるまま。
「――あたしたちはアーマードライダーじゃない」
鍬木が訝しさを露わにする。
「でも、戦えないわけじゃない」
チャッキーはヨモツヘグリの錠前を開錠した。
――宙にクラックが開き、ずどん、と“それ”は落ちてきた。
脚は枯れ木の根、背中はハリネズミ、頭部は剣山。肩は大きな貝殻らしき物で覆われ、手だけが細すぎる長い骨。
イザナミインベス。
このロックシードでしか呼び出せない、特殊なインベス。
光実や城乃内は未だに変身できる。つまり、ロックシードはまだどこかのヘルヘイムの森と繋がっている。ならばインベスも召喚できるはず。チャッキーはそう考えた。
(ミッチは連絡しろって言ったけどきっと間に合わない。今、ペコを助けられるのは、あたしだけなんだ)
チャッキーはヨモツヘグリの錠前を叩くように閉じた。
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