episode10
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「痛いのは嫌だ。気持ち悪いのは嫌だ。誰か、助けて...! 誰か...たす、助けてよぉッ!! うわああぁぁぁ......!!」
落ち着く様子も無い。だからといって、放っておくわけにもいかない。
困り果てている乗組員たちを掻き分け、1人アンカーに近寄る男。アラディンから「刺激するな」と注意されたが耳に届いてはいない様子の男は、そのままアンカーを抱き寄せた。
元から体の小さいアンカーは、男の太い腕や厚い胸板に覆われて身動きが取れなくなる。
「大丈夫。大丈夫だ、アンカー」
「っく......ひっ...。特別は嫌だ。カイブツは嫌だ。...ごめんなさい。特別で...カイブツで、ごめんなさい」
「誰も、お前をカイブツだなんて思っちゃいねぇ。俺も、お前に“特別”だなんて言って悪かった」
大きな手でアンカーの小さい頭を撫で、落ち着かせるように背中を軽く叩く。
次第にアンカーに落ち着きが見られ、最終的にはそのまま眠りに落ちてしまったが、乗組員たちの動揺は見るからに明らかだった。
タイガーによる船長命令で、このことを口外することを禁止し、本人が落ち着きしだい話をさせると言ってその場はなんとか治まったのだった。
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