番外『有り得ぬ世界』
交節・月光が求むのは鉄色の刃
[7/11]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
で攻撃を終わらせず、横薙ぎの体勢を活かして発動した、体術スキル『水月』の回し蹴りを叩き込まれた。
斬り払おうと体を捻ったせいで、ジンは蹴りにより背中を強打してしまう。
(な……読まれてる、だと……!? こっちの動きは、アイツに全部筒抜けなのか……!?)
まるで《現実で本当に武器を使い戦っていた》ような、それほどまでに無駄の無い行動と切り替えの早さ。
背が高くとも体重移動などで瞬時に体勢を変え、時にアクロバットにも近い挙動を、時に手をも利用して迫る行動力。
更に言えばジンはスピード型の剣士―――つまりジンが遅いから止められ、見切られているのではない。
対してガトウは遅くは無いが、ジンと比べるとどうしても速度的に見劣りしている……している筈なのだが、全く持ってそのスピードが通用していないのはお分かりだろう。
動き、武器の扱い方、そして恐らく戦闘経験―――何においてもジンが勝っているモノが無い。
背が高い所為で、振りの際の先手も取られまともに武器を振る事も出来ない。
この得体の知れないプレイヤーを放っておく事が出来る筈もなく、此処で勝って強引にでも情報を手に入れなければ、もしかすると仲間に被害が及ぶかもしれない。
勿論、それはあくまで可能性の話であり、目の前のガトウが良からぬ事を企んでいない可能性とて、当然の事ながらありうる。
だからこそ……詳細をハッキリさせなければいけないからこそ……ならば彼にとって、行うべきは一つだった。
「おおおっ!!」
「……」
左袈裟掛け、水平、右振り降ろしの連刃を、二発紙一重で避け、最後は『円の動き』で短剣が刀に衝突。
刀身の軌道があらぬ方へと向き、何時の間に持っていたかガトウはスローイングダガーを投擲し、蒼紫に包まれた鋭角な物体がジンに迫る。
掠りダメージで済ませたがそれと同タイミングで、ガトウはスキル無しで低い軌道のサマーソルトキックを放ち、刀に掠らせ牽制しながら距離を取る。
今がチャンスかと踏み込もうとすれば、体勢は重心を落としてあるわ、ナイフはもう構えてあるわで、迂闊には飛びこめない。
(隙無いのかよこいつ……!?)
心の中で愚痴るジンへ無言で接近、次いで刃が上方より振りかかる。
刀を斜めに構えて受け流そうとするが、直前で引かれて火花が散り、反撃封じか《蒼天》の刀身を左腕でぶった叩かれ、短剣の刺突をモロに受けて引っ張られたかのように飛ぶ。
如何にかチャンスを作れればと―――ジンはその為に三度振るったらしいが、如何やら相手が一筋縄でいかないのを、刹那の時も待ってくれないのを悟ると……彼は己の真骨頂である、そしてジンのみが得ているスキルを発動すべく、技
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ