マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0959話
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戸惑った様子を見せているのは、隣の椅子に座っていた男の方。
いきなり自分の連れがこんな態度を取るとは思わなかったのか、目を白黒させている。
それでも叱責する様子がないのは、ヤオの態度が礼儀に反するものではなく、寧ろ俺に対する敬意を表していたからだろう。
そのせいで怒るに怒れないといったところか。
ヤオは跪いたまま口を開く。
「この御方は精霊を超えし精霊。亜神に似て非なる存在。精霊種である我等ダークエルフにとっては、視界にいれていただくことすら恐れ多い御方」
……だろうな。
まぁ、目の前にいるのがダークエルフだというのが分かった時点でこうなるのは半ば予想出来ていた。
だが、相変わらず神様扱いは好きになれない。
ホドリュー達ハイエルフの面々は最近ようやく敬うという事をしなくなってきた為、余計にそう感じる。
もっともホドリュー達にしても、俺が恭しくされるのが好きじゃないというのを理解したからこそ表に出さないだけで、実際に心の中での俺に対する思いは以前とそれ程変わっていないのは予想出来る。
それでも、直接態度に出なくなったというだけで、俺にとっては気楽に過ごせる原因となっていた。
正直、混沌精霊になって不都合に感じたのはあの時が最初だったと言ってもいい。
この門世界にはヴァンパイアはいないみたいだし、いっそエヴァ辺りを連れてきて生き神様にでもしてやろうか。
……ああ、いや。ヴァンパイア自体はいなかったが、亜人でそれらしいのはいたか。
ともあれ、いつまでもこのままでは話が進まない。
俺の方に唖然とした視線を向けているエルベ藩王国の使者と護衛の騎士をそのままに、ヤオへと声を掛ける。
「面を上げろ」
正直、この類の改まった口調というのも俺はあまり好みじゃないんだが……まぁ、その辺は役柄を演じていると思えば我慢出来ない事もない。
「はっ! 御身にお目通りする事が出来、恐縮至極に存じます」
「ダークエルフ、でいいんだな?」
「はい。っ!? ……失礼しました」
俺の言葉に、慌てたように顔を覆っていた布を解くヤオ。
その下から出てきたのは、美形と表現してもいい顔だった。
「この度は此の身の願いを聞いて頂きたく、参上仕りました」
「……願い? まぁ、いい。詳しい話を聞こう。取りあえず座れ」
「は!」
相変わらずの堅苦しい言葉遣いだが、最初のように跪かれるよりはまだマシか。
その場にいた護衛の騎士以外の者全員が椅子に座ったところで、まず最初に口を開いたのはエルベ藩王国からの使者だった。
「突然やってきて申し訳ありません。私はエルベ藩王国に仕えているガルリス・ブランカと申します。先程ヤオさんの口からも出ましたが、実はシャドウミラーの皆様の力をお貸し頂きた
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