マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0959話
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るだろう。
そもそも、エルベ藩王国にはこちらと繋がる通信機を渡してある。それ程重要でもない用事なら、わざわざ時間を掛けてアルヌスの丘まで来なくても通信で済ませればいいのだから。
「さて、何かしらね。ただ、言える事は……」
「言える事は?」
一端言葉を止めたエザリアは、小さく肩を竦めてその続きを口にする。
「間違いなく、何らかの厄介事でしょうね」
「……だろうな」
やっぱりエザリアも厄介事と見ているか。
そうなると、残るのはその厄介事がどのくらいの厄介事かだろうが……さて、どうだろうな。
エルベ藩王国の国王とは話した事があるが、何でもかんでもこっちに頼る……なんて真似をするような性格ではない。となると、向こうでは対処出来ないからこそこっちに回ってきたんだろう。
そんな風に考えているうちに、やがてエルベ藩王国からの使者を待たせている部屋へと到着する。
扉の前には量産型W。
まぁ、これは警戒のためには当然だ。
「何か異常は?」
「ありません」
俺の問い掛けに短く答える量産型W。エザリアはその説明を聞いて扉をノックし、中からの返事を聞いて扉を開ける。
部屋の中にいたのは5人の人物。
ただし、椅子に座っているのは20代程の男女が1組だけであり、残り3人は護衛らしく、鎧を身に纏って座っている2人の後ろに控えていた。
この基地の中で護衛は不要だと思うんだが……ただまぁ、エルベ藩王国からここまで来るのに護衛は必須か。特に帝国の領土内を突っ切って来てるんだし。
「アクセル・アルマー代表ですか?」
「ああ。こっちはシャドウミラーの政治を任せているエザリアだ」
「エザリア・ジュールよ。それで早速だけど用件に入ってもいいかしら?」
その言葉に椅子に座っていた2人の男女は立ち上がってこちらに頭を下げ……その瞬間、布を顔中に巻き付けていた女の方が何故か跪いてこちらに頭を下げてくる。
……おい。この光景、何だか既視感があるんだが。
しかも、極めつけにその顔に撒いてある布から伸びている耳。通常の人間の耳とは違い、長く尖っている。これまたどこかで見た光景だ。
ただ、唯一違うのはその肌の色。
ホドリューやテュカの皮膚とは違い、褐色の肌。
それはつまり……
「ダークエルフ、か?」
「はっ、はは! この地にて貴方のようなお方に出会えるとは思えませんでした。我が名はヤオ・ハー・デュッシ。シュワルツの森のデュッシ氏族、デハンの娘」
そう告げるダークエルフの女、ヤオの瞳に浮かんでいるのは、ハイエルフが浮かべているのと同じ色。
それはつまり、このダークエルフも俺を上位精霊として認識している事を意味している。
「ヤオ殿? 一体何を?」
そんなヤオの態度に
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