暁 〜小説投稿サイト〜
とある3人のデート・ア・ライブ
第七章 歌姫
第10話 始点
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
と笑ってみせた。

まるで、自分に会いに来たように。

佐天「あの、どうしてここにいるんですか?」

御坂「あら、いたら何かマズイことでもあるの?」

佐天「……特に無いですけど」

食蜂「ま、そうよねぇ。″精霊″とあろう人は何も困ることは無いわよねぇ?」

佐天「……」

しばしの沈黙。

ここまでは想定内。誘導尋問に近いことをさせ、何とか彼女の正体を掴みたい。

だが、佐天の顔はなぜかポカンとしていた。

その直後、

佐天「ふふ、あはは……」

突然、腹を抱えて笑いだしたのだ。

「「……え?」」

この展開には二人も予想外だったのか、今度はこちらが驚く番だった。

先ほどの笑みを取り戻した佐天から言われた言葉は、信じたくないものだった。




佐天「やっぱりバレてたんですね」






突如、衝撃波が御坂と食蜂の身体を襲った。

佐天を中心にして、まるで戦闘の開始を告げる音のように、冷酷な怖さだった。

佐天「どこからその事を知ったのは知りませんが……」

特に変わった様子も無く、彼女は平然と立っていた。

佐天「確かに、私は『精霊』になりました。あの日、『あの人』にこの力をもらってから……ね」



あの日ーー六月二二日に琴里と士道が精霊の力を封印するためのデートをした時に、佐天がたまたま会った『あの人』

霊力封印する少し前に観測された琴里ともう一つの霊波反応。

そして、学園都市で御坂と白井の身体を治癒した謎の能力。




その、全てがーー佐天の精霊の力。




佐天「どうします?私と戦いますか?」

その余裕の表情に御坂と食蜂は若干の恐怖を覚える。

学園都市のLevel5とあろうものが、たかがLevel0の笑顔ごときで身を引くなどありえない。

御坂「……それもいいわね。佐天さんの能力もどんなものか気になるし」

食蜂「そうねぇ。でも私は遠くから見守ることにするわぁ。私、そっち向きじゃなーー」

と、ふと言葉が止まった。

御坂「……アンタ、どうしたの?」

御坂が食蜂の顔を見ると、いつもの彼女からは考えられないような顔をしていた。

驚愕と恐怖。それを織り交ぜたような、今にも倒れそうな顔だった。

食蜂「影……」

言いながら、ある一点を指差す。

御坂「……え?」

つられて見ると、そこには驚くべき光景があった。



雲一つない空。今にも日焼けしそうな、濛々と照りつける太陽。

彼女達を影で覆う大きな建物もない。

なのに。




佐天涙子には影がなかった。





佐天「……」


幽霊なんてこの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ