第七章 歌姫
第9話 操られし仲間
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は拘束される寸前で、体育館の壁の上の方に取り付けられた通路へと逃げた。
上条「悪いな士織」
士織「っておい!助けないのかよ!一方通行も何とか……ってアレ?」
ちなみに、一方通行は上条とは反対側の通路に逃げ込んだようだ。これで上条と一方通行は向かい合うような感じで立ってしまう。
一方「悪りィ。忘れてた」
士織「忘れたって……」
一方通行に文句の一つでも言ってやろうと思ったが美九が靴音を体育館中に響かせこちらに向かってくるのを確認すると、やたら緊張感が走ってしまい、それどころではなかった。
美九「ふふ、精霊さんも、士織さんも……みーんな私のもので……」
美九が指先で士織の太ももからゆっくりと上の方へなぞっていく。
と、違和感を覚えたのはその瞬間だった。
美九「……ん?……んん?」
美九は首を傾げ、士織を触っていた指を伸ばしたり曲げたりしていた。
美九「今の感触……まさか!」
美九が命令し、士織のスカートを無理やり引きずり下ろす。
そして。
士織「ぎゃあああ!!」
美九「うッきゃああ!!」
ほぼ同時に発狂した。
美九は″士織が男″だと分かった瞬間、絶叫し、顔を青ざめさせ、自分が置いていた鍵盤の位置へと戻っていった。
そして。
不協和音にも似た嫌な音が体育館を響かせたと同時に観客たちが一斉に士道の方へと走り出したのだ。
士道「うわああああ!!!」
上条「まず……!」
一方「……チッ」
士道が逃げ出し、それを追いかける観客を上条と一方通行が柵を乗り越えて追った。
だが。
士道の逃げ道を塞ぐように、彼の目の前に氷の壁らしきものが出現した。
士道「これは……」
上条「まさか……!?」
一方「……」
上条と一方通行が士道に追いつき、観客は彼らの動きが止まったからか、ゆっくりと歩き出した。
その、上空で。
よしのん『いけないなぁ、士道君。ここはもう『檻』なんだよ?』
四糸乃「お姉さまを、傷つけたりは、しません……!」
傷つけたくないのに逃げ道を防いだ理由はイマイチ理解できないが、言葉、行いからして敵になってしまったのは間違いないだろう。
ならばーー
耶倶矢「くく……士道よ。この我らから逃げ切れるとでも思うたか?」
夕弦「同意。お姉さまを騙した罪、ここで償ってもらいます」
八舞姉妹も、敵になっていた。
それなら十香も……
と、思っていると、上空から誰かが勢いよく降りてきた。
上条「十香?」
十香「……」
上条の呼びかけに十香は答えない。まるで聞く耳を持たないように。
士道「まさか……!?」
嫌な予感がした。まさか
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