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ハロウィン
6部分:第六章
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「それじゃあそれをもっと確かめてみる?」
「もっとって?」
「私達と一緒に来て」
「今までみたいに?」
「そう、今までみたいに」
 こうジャックに言うのである。
「家を回りましょう。そうすればもっとわかるわよ」
「もっと。わかるんだ」
「そうよ。あんたがどれだけ人気があるのかね」
 にこりと笑って彼に告げるのであった。
「どう?一緒に行く?」
「うん」
 ジャックは彼女の今の言葉にこくりと頷いて答えるのだった。
「それじゃあ。一緒にね」
「行きましょう。けれどあんたお菓子は」
「ああ、それはいいから」
 お菓子はいいというのであった。
「僕は何も食べなくても全く平気だから」
「そうだったわよね。確か」
「そっちは本当に平気なんだ」
 そのことをあらためて言うのであった。
「だって僕カボチャ頭だし」
「じゃあ悪いけれどお菓子は」
「うん、いいよ」
 声でにこりと笑っていた。
「それは君達で食べてよ。僕の分はいいから」
「何かここでわかったよね」
「そうだね」
 ボブはリンチェンの今の言葉に頷いた。
「よく見たらさっきから何も食べていないし」
「カルロスだったら今頃ガツガツ食べているからね」
「ちぇっ、ガツガツっていうのは余計だよ」
 当のカルロスはその言葉に不平を言うのだった。
「それでも。ジャックがお菓子を食べないのは有り難いね」
「そうだね。こう言ったら何だけれど」
 ビルは言葉を少し歯切れの悪いものにさせていたがそれでも言うのだった。
「それだけ僕達が食べられるし」
「そうね。まあとにかく」
 ここでまたサエコが言った。
「ジャックも皆も行きましょう」
「うん、それじゃあ」
「そういうことで」
 ジャックも男の子達も彼女に応えてベンチから立ち上がったのだった。サエコはジャックを皆の先頭に押し立ててそのうえで彼に対して言った。
「あんたが先頭よ」
「僕が先頭なんだ」
「だってそうじゃない」
 自分が先頭に立てられて少し驚いた声をあげるジャックに対して述べた。
「あんたの人気をこっちの世界でも確かめる為のものなのよ」
「うん」
「だったら当然じゃない」
 こうジャックに言うのだった。
「そうでしょ?あんたが先頭に出なくてどうするのよ」
「それもそうか」
「そうよ」
 またジャックに対して言った。
「わかったわね。それじゃあ」
「うん。じゃあお菓子は皆でね」
「それはね。またそれで」
 それはそれで嬉しいことだが今はあえて言わないのだった。
「とにかく。あんたが先頭よ」
「うん、わかったよ」
 遂にジャックもそれで頷くのだった。それだけでその大きなオレンジのカボチャ頭が縦に揺れる。いささか落ちそうであるがそれでも落ちはしなかった。

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