第七章 歌姫
第8話 旋律する歌
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ドカフェの票数は凄まじい!ステージ部門での差を他の部門でひっくり返したのです!』
士織「は、は……」
士道は力なく笑った。
まさかこんなところで亜衣麻衣美衣達に助けられるなんて。
耶倶矢「かか、我らにかかればこんなもの容易いものよ!」
夕弦「同調。その通りです。夕弦たちに敵はいません」
一方「ンで?何でそんな勝負なんかしてたンだ?」
士道から少し離れたところで耶倶矢、夕弦、一方通行が勝利の結果に喜んでいた。
耶倶矢「勝ったから関係ないの」
夕弦「同意。その通りです。あーくん」
一方「………その呼び方、誰から聞いた?」
「「琴里から(です)」」
一方「ぶっ殺す」
何なら不穏なワードが聞こえたような気がしたが、今は気にしないでおこう。
上条「よかったな、士織」
士織「あ、あぁ。来てたのか」
上条「丁度交代の時間だったからな」
上条も士道達の勝利に笑みを浮かべくれた。
士道はゆっくりと美九の方を向き、そして言ってみせた。
士織「美九……俺たちの勝ちだ」
そんな美九は先ほどとはうって変わって様子がおかしかった。
現実と夢の区別ができていないかのような虚ろな目をし、先ほどの審査結果を見つめている。
美九「こんなの……無しです。だって、私は、勝ったもの……!あの子達がちゃんとしてないから……!」
士織「そんなことないはずだ。竜胴寺の子だって一生懸命やったはずだ」
美九「知らない!知らないです!私は、勝ったのに……」
その姿はまるで駄々こねる子供のようだった。
上条「これが仲間の絆ってやつじゃないか?」
美九「絆……?」
横から上条が美九に問いかけるように言う。
上条「士織達は美九に叶わなかったが他のメイドカフェとかで助けられたんじゃないか?」
まさにその通りだ。それは結果が全てを表している。
あの時、模擬店等に使うはずだった予算を、美九は出場を決めてから『声』を使って予算をこちらに大幅に使わせたのだ。
そりゃ、いいのもできないだろう。
美九「仲間?絆……?教えてあげますよ。私の前では無意味だということを!!」
美九は俯いていた顔をバッと上げて両手を広げた。
美九「ーー〈破軍歌姫〉!!」
美九が会場全体に行き渡るぐらいの大声を出すと美九の周りから何か巨大な金属塊のようなものがステージにせり上がってくる。それは円筒が何本も重なって生えた奇妙なフォルム。パイプオルガンのようなそれは演出でもなんでもない。
さすがにその違和感に気づいた観客達はどよめき始めた。
それを気にせず美九が右から左へと一閃させるとそこから帯のような線が美
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