第七章 歌姫
第8話 旋律する歌
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確かに二人は殴り合いに飽きて様々な勝負をしていたと言っていたが、まさかこんなモノまで……
士織「一方通行は昔に弾いたことがあったとか?」
一方「あァ?この程度、譜面とキーボードの使い方さえ覚えれりゃ何とかなるだろ」
流石、天才の言うことは違う。
耶倶矢「なあ士道よ、我らは御主のお陰で一緒にいることができる」
夕弦「請願。今度は是非、夕弦たちに助けさせてください」
耶倶矢と夕弦が言ってくる。
無論、美九は強敵である。加えて、今会場は美九のファンで埋め尽くされている。
完璧なパフォーマンスで勝てる相手ではない。
でもーー
士道は二人の手を取り、バッと顔をあげた。
「…………おうッ!」
ーーーー
ーーー
ーー
ー
正直言ってステージはある意味無茶苦茶だった。
最初は音源を使って口パクする予定だったのに何者かにそれを壊されて生で歌うハメになるわ、十香が突然ゆっくりと歌い出し、士道も途中から一緒に歌いだすなどなど……ハプニングだらけだった。
だけど、それは同時に楽しいと思えることだった。
美九に勝つことだけを意識していたからこそ、楽しむことを忘れていた。
士道のアレンジに上手く乗ってくれた耶倶矢、夕弦、一方通行にも感謝せねばならない。
でも、結果はーー
『ステージ部門、第二位!一歩及ばず来弾高校!』
スピーカーから聞こえる音に一瞬時間が止まったかと思った。
つまり、士道たちが二位ということはーー
『そして、ステージ部門第一位の栄冠を手にしたのはーーやはり強かった!王者、竜胴寺女学院!!』
大声が、会場を震わせた。
士織「…………」
十香「し、シドー……」
美九「ふふ、ほうらね、仲間なんかに期待しすぎるからこうなるんですよー」
士織「美九……」
美九「なんにせよ約束は約束です。士織さんと霊力を封印したという精霊さん五人、今日から全員私たちのものです」
士織「く……」
士道が唇を噛みしめる。
渡してはいけない。でも結果は覆らない。
今までにない焦りと責任感が彼をどんどん追い詰める。
と、再びスピーカーから司会者の声が、今までで一番大きな声が張り上げた。
『ーーと、いうわけで!天央祭一日目の総合順位は、来弾高校に決定いたしましたぁぁぁ!!』
美九「…………へ?」
美九が呆然と目を丸くする。
それは士道たちも同じだった。
そんな士道たちの疑問を答えるかのように司会者が言葉を続ける。
『なんとも意外な結果になりました!ステージ部門では圧倒していた竜胴寺ですが、展示部門や模擬店では来弾が大きくリード!特にメイ
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