第100話 少年は世界の闇と出会うようです
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Side ―――
―――ワハハハハハハハハハ!
試合が終わって数時間。ネギは突発的に始まった祝勝会(?)が開催されている部屋を静かに
出て、廊下を少し歩く。扉を開けると、そこは街を一望できる広いテラスになっていて、
その縁に立ち、今日と、これまでの経緯を思い出していた。
「ふぅーー……。(よし、一つ終わったな。)」
結局、試合はネギ達とラカンさん達の引き分けとなり賞金が半分になってしまった。
しかしネギ達を認めたと言い賞金を渡した為、のどかさんハルナを解放できた。
ゲート復旧、もしくはゲート発見までの生活費はファイトマネーが全て使えるし、
捜索組が見つけて来た宝物の類を売れば余裕さえある。あとは―――
―――ズグンッ
「ぐっ……!!」
瞬間、事態を楽観したネギを戒めるかのように"闇"が蠢く。
試合の時の比じゃない、その"存在"を感じる程の何かがを内から食い荒らそうと這い出る。
「よぉ、やっぱ傷が痛むか?」
ポン
「っ、あ、ラカンさん……。」
"闇"が更に溢れそうになった時、後ろからラカンの声がかけられ、正気を取り戻した。
「明日菜ちゃんのチート魔法具でも完全には治ってねぇんだろ、癒術師に見て貰った方が
いい。大戦期に世話んなった人に来てもらってっから医務室行って来い。」
「は、はい。ありがとうございます。」
勧めに従って、ネギは素直に医務室へ向かう。
手を振りその姿が見えなくなると・・・ラカンは独り言の様に喋り出す。
「ふん、ありゃ試合の傷なんかじゃねぇわな。『闇の魔法』の浸食、だろ
?
短期間にあんだけ使えば、そりゃああなるだろうぜ。」
トッ
「ハッ、知っててガッツリ使わせる方向に持って行くとは酷い師匠も居たもんだ。」
独り言に応えて、何処かからラカンの隣に降り立った愁磨。意図あってか、
"造物主"と同じ揺蕩い蠢く黒い襤褸ローブに身を包んでいる。
「フェイト・アーウェルンクス。『完全なる世界』、奴らの残党が動いて
る。」
「ああ、知ってるよ。」
「ネギ達も、とっとと旧世界に帰りたがってやがる。」
「近々帰れるだろうよ。」
「ナギとエルザさんも、見えねぇなぁ。」
「心配すんな、近々お目にかかれる。」
真面目なラカンの問いに、飄々と愁磨は答える。その関係はネギとラカンの様に・・・
知らない者と知っている者の質疑応答だ。
既に愁磨が自分達と考えを共にしておらず、敵対する事を"紅き翼"全員で決めて
いた
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