第100話 少年は世界の闇と出会うようです
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ラカンは戦闘の意思として、確かな怒りと共に闘気を纏う。
「お前、何しようとしてやがる?」
「アルから聞いてるだろ、大体その通りだよ。」
「それじゃ、何でネギ達に修業つけてやったりしてんだ?」
「お前も何となく分かってんだろ。あいつらが世界を救うからだ……なんてな。」
嚊々と笑う愁磨に嘆息し、闘気を治める。
最早通過儀礼となった問答だが、いつもの答えとは違う。のらりくらりと躱すモノでなく、
日が近い事も、誰が何かをすべきか答えた。故に――ラカンも自らの立ち位置を決めた。
「なら、俺とお前は敵みてぇだな。」
「いいや。俺達はずっと仲間だよ。」
『共犯者かもな・・・』と呟くと、テラスの縁から飛び降り、夜の闇へ消えていった。
数秒後、ラカンの影が揺らめき脇に水が湧き出て来る。
ヴォン
「く、遅かったようですね。」
パシャッ
「相変わらず神出鬼没な転移魔法を使う奴じゃ。」
「アル、ゼクト。お前ら遅いんだよ……。てか何しに来たんだ。」
「酷い言い草ですね、ジャック。私達はかの宮殿まで行って来たと言うのに。」
アルビレオの言葉にラカンは言葉を失する。10年前から続く、続けて来た戦争の中心。
敵の本拠地に僅か二人で向かい、生きて戻った事に。
「………良く生きて帰って来たな。余裕で死ねるだろ。」
「いえ、それが……もぬけの殻、と言う訳でもなかったのですが。……勿体ぶっても仕方
ありません。アリカ姫と、源しずな、と言いましたか?彼女達が全部教えてくれました。」
「全部、って、全部?」
「ああ、全てじゃ。十中八九本当の事じゃろう、裏も取って来た。」
話しを聞いた二人さえ腑に落ちていないまま、資料に纏められたそれにラカンも目を通す。
内容が難しかったのか、理解に苦しんだのか。寄せていた眉根を更に歪ませ暫し瞑目して、
納得する。アルビレオとゼクトに話させたからこそ、愁磨は来たのだと。
「これが本当なら余計分からねぇんだが……愁磨は、ネギが鍵になるって言ってやがった。
」
「……確かにあの子は、ナギの息子なだけあって成長著しい。しかしそれは相手も同じ。
彼等と戦うには、後10年必要なのは間違いありません。この差は、とても大きい。」
「それでもなお必要じゃと言うのじゃから、欠かしてはいかんのじゃろうなぁ。」
ならば――と三人の思考が重なる。
既に思惑を散々話し合った彼らは、ただ静かに突き出した拳を合わせ頷いた。
「うーーっし!んじゃぁ大人は夜遊びに行きますか!」
「やれやれ、長い夜遊びになりそうですね。ゼクト。」
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